2019年03月12日 14:30 〜 16:00 9階会見場
「朝鮮半島の今を知る」(22) 伊豆見元・東京国際大学教授

会見メモ

2月の米朝首脳会談は事前の合意が全くない「ぶっつけ本番」だったが、両国ともワーキングレベルの事前交渉の必要性を感じている。大統領選を控える米国は次回の会談で、ICBM廃棄など自国民にわかりやすい「ビッグディール」を目指すだろうと述べた。日韓関係については、国力が強くなった韓国が今になって歴史問題を取り上げるのは一見おかしなことに映るが、1965年の日韓基本条約は韓国にとっては「屈辱」と捉えられていると指摘した。

 

司会 五味洋治 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)


会見リポート

3回目の米朝首脳会談はビッグディールに

水沼 啓子 (産経新聞外信部編集委員)

 米中をはじめ韓国、北朝鮮に幅広い人脈を持ち、そのネットワークを駆使し、多面的に朝鮮半島情勢を見てきた伊豆見元氏は、2月末の米朝首脳再会談が不調に終わった原因として米朝双方の準備不足と米国側の国内事情を挙げた。双方の事務方が手持ちのカードを提示し合ったのが再会談の3週間前で、実質的な交渉は直前の5日間のみだったという。

 伊豆見氏は、米朝首脳会談は最低でも4回は開くと見ており、2回目の今回はあくまでも通過点でもともとミニディール程度の成果で十分だったとした。それでもトランプ氏が用意された合意文書に署名せずに帰国した背景に、会談と同じ日に行われた同氏の元顧問弁護士による米下院公聴会での証言があると指摘。中身のない合意をすれば、さらにトランプ批判が高まることを警戒したという。

 今回トップダウンで交渉することの危うさに両国とも気づいたので、今後はワーキングレベルの事前交渉をもっと積み重ねるはずだとした。次の3回目の会談で、米国は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の廃棄と核兵器などの拡散防止を北朝鮮に約束させるビッグディールを目指すだろうと予測。大統領再選を狙うトランプ氏にとって、この2点は成果として米国民に訴えやすい面もあるという。

 また、伊豆見氏は過去最悪といわれる日韓関係についても分析した。日韓両政府ともに関係修復のために何ら努力をしていない点が、これまでとは違うと主張。その背景に一般大衆の無関心と、双方にとって対日、対韓問題は政策的に優先順位が低くなっていることがあるとした。

 今回、日本は韓国に毅然とした対応を取っており、今後は韓国でも過剰な対日楽観論は消え、より実利的になると展望。韓国では日本に無関心な国民も増えているので、長い目で見れば歴史問題をめぐり、ぎくしゃくした日韓関係が繰り返されることはなくなるとの見方を示した。


ゲスト / Guest

  • 伊豆見元 / Hajime Izumi

    東京国際大学教授 / professor, Tokyo International University

研究テーマ:朝鮮半島の今を知る

研究会回数:22

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