2018年11月30日 14:00 〜 15:00 10階ホール
「2年目のトランプ政権」(7) 佐々江賢一郎・日本国際問題研究所理事長兼所長

会見メモ

2年目のトランプ政権 (7)

前駐米大使の佐々江賢一郎氏に、中間選挙後の米国の内政や、今後の日米関係ついて聞いた。

 

司会 小栗泉 日本記者クラブ企画委員(日本テレビ)


会見リポート

慎重かつ明快に米政治を分析

 外交官とは、他国の営みを安易に良いとも悪いとも評しないものだ。今年4月まで5年7カ月にわたり駐米大使を務めた生粋のプロであればなおさらのこと、どれだけ促されてもトランプ政権の特異な政策や大統領の言動について、一刀両断にするようなコメントは聞かれなかった。

 では盛り上がりに欠ける会見だったか? もしや佐々江氏は覚悟の上だったかもしれないが、幸いにして答えはノーだ。

 「アメリカを巡る変化は、我々の予想を超えた」

 会見冒頭の一言で、いわゆるトランプ現象が日本に与えた衝撃の大きさを伝えるのに十分だった。

 続けて「誰が大統領であっても(日米)同盟の重要性は変わらない」と自明のことに言及したのは、危機感の裏返しだろう。

 11月の米中間選挙で、上院は共和党、下院は民主党が過半数を得た。佐々江氏は痛み分けだとし、有権者のトランプ離れが進んだといった゛希望的観測゛にはくみしなかった。むしろ選挙戦を通じてトランプ氏と共和党主流派が一体化し、党派としての強さを増したと指摘した。

 先の大統領選で、トランプ氏の当選をワシントンで目の当たりにした佐々江氏ならではの慎重な分析と言うこともできる。

 そうした中で、極めて明快に論じた点がある。中間選挙で「両党のアジェンダが中央に収れんするというより、左右に分化していく傾向を強めた」という側面だ。「心配だ」と心情も吐露した。

 2020年大統領選挙に向け、トランプ氏に対抗できる民主党候補の条件を尋ねられ、こう答えた。「アメリカ全体を統合していけるようなビジョンと才覚を持った人が出てくるか。分断の激化でなく統合を感じさせる人が出てこなければアメリカは難しい」。いつしか民主党に限らない大統領論になっていた。

 


読売新聞東京本社国際部長  広瀬 英治

ゲスト / Guest

  • 佐々江賢一郎 / Kenichiro Sasae

    日本 / Japan

    日本国際問題研究所理事長兼所長 / President, The Japan Institute of International Affairs

研究テーマ:2年目のトランプ政権

研究会回数:7

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