2017年03月17日 10:30 〜 12:00 10階ホール
独・仏・オランダ3カ国駐日大使 共同記者会見

会見メモ

*壇上左からヤコビ・駐日オランダ大使、ヴェアテルン・駐日ドイツ大使、ダナ・駐日フランス大使

 

2017年、欧州は選挙の年。3月15日にオランダ総選挙、4月~5月にフランス大統領選、9月にはドイツ総選挙が行われる。トランプ現象が欧州にも波及し、反難民・移民を掲げる“自国第一”の政治家や政党の動静が注目されている。3月に60周年を迎えたローマ条約締結国の独、仏、オランダ3カ国の駐日大使が、各国の政治・社会情勢やEUの今後などについて語った。

 

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)


会見リポート

ポピュリズムに抗して

壇上の3人は一様に安堵しているように見えた。前日の16日(日本時間)、オランダ下院選挙の結果が判明。欧州連合(EU)離脱を掲げる極右の自由党が伸び悩み、与党が第1党を維持した影響だろう。

 

欧州統合の節目であるローマ条約の調印60周年を記念する会見に臨んだのは、欧州選挙イヤーの焦点の国オランダ、ドイツ、フランスの駐日大使。質問は必然的に欧米政治を揺さぶるポピュリズム(大衆迎合主義)に抗して、今後どのように欧州建設を進めるかに集中した。

 

各大使が強調したのは、政府や主要政党がポピュリズムの源泉である大衆層の不安や不満と正面から向き合うことの重要性だ。

 

選挙を終えたばかりのオランダの大使は、極右が第2党となった現実を真剣に受け止める必要があると述べた。4~5月の大統領選で極右、国民戦線(FN)の躍進が予想されるフランスの大使は、EU官僚と市民の間のギャップが現在の政治状況を招いたと分析。「(人々の)懸念を拒絶してはならない。欧州人としてEUに関与するとはどういうことなのか、対話が必要だ」と述べた。

 

英国がEU離脱を決め、さらに各国でEUへの不満がくすぶる中、統合プロセスの立て直しは喫緊の課題だ。ドイツとフランスの大使は、全加盟国が一律の統合を進める原則を見直し、条件の整った国から統合を深化させる「統合速度の多様化」を訴えた。だが、このやり方はEU内に「二流国」を生み出すとして東欧諸国から反発が出ている。

 

第2次大戦の反省から出発し、「歴史的実験」とも言われる欧州統合には、債務危機や難民流入、テロなどの問題も横たわる。ローマ条約60年は、間違いなくEUの今後を占う岐路の年となりそうだ。


共同通信社編集委員 軍司 泰史

ゲスト / Guest

  • ティエリー・ダナ / Thierry DANA

    フランス / France

    駐日フランス大使 / Ambassador

  • ハンス・カール・フライヘア・フォン・ヴェアテルン / Hans Carl FREIHERR VON WERTHERN

    ドイツ / Germany

    駐日ドイツ大使 / Ambassadror

  • アルト・ヤコビ / Aart JACOBI

    オランダ / Netherland

    駐日オランダ大使 / Ambassador

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