会見リポート
2016年09月28日
13:00 〜 14:00
10階ホール
「チェンジ・メーカーズに聞く」⑩徳重徹 テラドローン社長
会見メモ
会見リポート
60%いけるならば、とにかくやってみろ
田中 亘 (産経新聞社ドローンタイムズ)
「日本発のベンチャー企業として、アップル・サムスンを超えるインパクトを世の中に残す企業になります」と設立趣意書に明記しているテラモーターズ創業者の徳重徹代表。1970年の生まれ、九州大学工学部を卒業し、住友海上保険に入社、2000年にサンダーバード国際経営大学院でMBAを取得し、シリコンバレーでベンチャー企業を支援してきた。そこでグーグルやアップルなど、成長する数多くのベンチャー企業を目の当たりにして、日本からメガベンチャーを作るべきだと決意。2010年に帰国し、電動バイクや電動三輪を製造・販売するテラモーターズを設立した。
バングラデシュやベトナムなどの新興国で電動バイクの市場を開拓してきた徳重氏は、日本のブランドは世界で通用するのに、大手企業の海外展開はスピード感がないと指摘する。現地では、「日本の会社はNATO(no action talk only)だと揶揄されている」と話す。
「テラモーターズの新興国での取り組みは、ソニーやホンダなどが40~50年前に、海外の市場を開拓してきた苦労と同じだ」と徳重氏。
そして、今の日本の大企業が世界で通用しなくなり、ベンチャー企業が生まれない背景は、挑戦する志を失った大企業の風土に原因があると分析する。
メガベンチャーをめざす徳重氏が、電動バイクに続いて挑戦する次の一手がドローン。その理由は、「ドローンはまさに黎明期。タイミングが重要で、今後を考えるとハードではなく、これから需要が伸びるソフトやソリューションに市場性があるからだ」という。
すでに、ドローンを使った土木測量や農薬散布のビジネスを日本で展開し、今後もハード以外の分野で事業の成長をめざす。
「情熱と狂気が時代を動かす」という吉田松陰の言葉が大好きだという徳重氏は、60%いけるならば、とにかくやってみろ、という「無茶なことをやりきるのが大事」と語る。
講演の中でたびたび「スピード感」という言葉が出てきた。いかに早く市場に参入し、変化に迅速に対応し、的確な軌道修正を行っていくか。そのスピード感こそが、世界で戦っていく企業に求められているのだと感じた。
ゲスト / Guest
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徳重徹 / Toru Tokushige
テラドローン社長 / TERRA DRONE CEO & Founder
研究テーマ:チェンジ・メーカーズに聞く
研究会回数:10