2014年04月16日 16:15 〜 17:15 10階ホール
ヤミーン モルディブ大統領 記者会見

会見メモ

モルディブ大統領として初めて公式訪日したヤミーン大統領が会見し、気候変動の影響、対中関係、インドなどとの海洋安保協力問題などの質問に答えた。

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)

通訳 西村好美(サイマル・インターナショナル)


会見リポート

気候変動と国際政治の荒波に洗われて

竹内 幸史 (朝日新聞出身)

インド洋に浮かぶ珊瑚礁の国から、初の公式訪問である。国土の総面積は淡路島の半分に過ぎず、人口は33万人という小さな国だが、トップの仕事は大変だ。2つの難題に直面している。


ひとつは、気候変動による海面上昇などの環境問題や災害である。2004年、インド洋大地震による津波で111人が亡くなり、「独立以来最大の危機」に遭った。幸い、首都マレは日本が築いた防潮堤のおかげで助かった。


「将来は6㍍も海面が上昇するという予想がある。もし本当なら、わが国は消え去ることになる」と語り、日本など先進国が地球温暖化対策を主導するよう強く求めた。


もうひとつは、国際政治の荒波だ。シーレーンの要衝にあるため、各国から安全保障協力を求められている。米国は軍事協力の協定を結ぼうとしたが、モルディブはインドを刺激するのを恐れて見送ったと伝えられる。中国は最近、マレに大使館を開き、関係強化を進めている。


モルディブの大命題は特定国にくみせず、多くの国から経済協力を得ることだ。会見でも、大国の狭間でしぶとく生きる島国の姿が垣間見えた。


ゲスト / Guest

  • アブドッラ・ヤミーン・アブドゥル・ガユーム / Abdulla Yameen Abdul Gayoom

    モルディブ / Maldives

    大統領 / President

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