2026年07月10日 15:00 〜 16:00 10階ホール
山口明夫・経済同友会代表幹事 会見

会見メモ

今年1月に経済同友会の代表幹事に就任した。

「テクノロジーの進化と経済成長」と題し、転換点を迎えた日本経済のいまと「共助成長社会」に向けた成長戦略の在り方などを話した。

 

司会 藤井彰夫 日本記者クラブ理事・企画委員長(日本経済新聞社)


会見リポート

「フェア、オープン、誠実に」

神崎 明子 (日刊工業新聞社編集委員)

 前トップの任期途中の辞任という異例の事態を受け、今年1月に代表幹事に就任した。歯に衣着せぬ発言で、強烈な個性を振りまいた新浪剛史氏に対し「地味」「物足りない」と見られがちだが、気負わず自身のスタイルで財界活動に向き合う姿を印象づけた会見だった。

 経済同友会は経営者が個人の資格で参加するため、しがらみにとらわれず自由に発言できる。だが、山口氏は、尖った発言で社会の耳目を集めるのではなく、直面する諸課題に二項対立ではない丁寧な議論を積み重ね、共通理解を得た上で解決にまい進したいと繰り返す。「フェアでオープン、誠実に物事に取り組んでいきたい」と穏やかに語る姿に、人柄がにじみ出ており、この日の会見でもそのたたずまいを見ることができた。

 目指す姿を「共助成長社会」と語った。「経済成長は『必要条件』だが『十分条件』ではない」とし、成長を追い求めるだけでなく、「一人一人に居場所があり、幸せを感じられる優しい社会が理想」と説いていたのも、いかにも山口氏らしいと共感する。

 あえて注文させてもらうなら、AI(人工知能)をはじめとする技術がもたらすインパクトや社会変容に対し、よりアグレッシブな姿勢、踏み込んだ発言を期待する。会見では「テクノロジーの進化と経済成長」をテーマに、「潮目が変わったこのタイミングで成長に乗れるか」を語り、日本IBMの経営者として長年テクノロジーの最前線に携わってきた現場感覚、問題意識を明快に示した。技術覇権争いが激化する時代だからこそ、自身の経験、知見を前面に押し出し、日本の「立ち位置」や進むべき「道筋」に独自の視座を示し、議論の火付け役になってほしい。

 かつて代表幹事を務めた小林喜光氏は、哲学的な独特の世界観で技術革新を語った。山口氏は別の個性で、テクノロジーを起点に経済社会のありよう全般にテーマを広げ、新たな財界トップ像を確立してほしい。


ゲスト / Guest

  • 山口明夫 / Akio YAMAGUCHI

    経済同友会代表幹事 / Chairman, Keizai Doyukai (Japan Association of Corporate Executives)

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