会見リポート
2014年02月14日
12:00 〜 13:30
10階ホール
昼食会 渡辺博史 国際協力銀行(JBIC)総裁
会見メモ
渡辺博史・国際協力銀行(JBIC)総裁が、英・フィナンシャルタイムズ紙やエコノミスト誌などに掲載された風刺画を使いながら、マクロ経済・金融から見た世界経済の動向について見解を述べた。
司会 日本記者クラブ企画委員 実哲也(日本経済新聞)
会見リポート
“渡辺流”解説 漫画で読み解く世界経済
鈴木 美勝 (時事通信解説委員)
「最近の世界経済の動向」と題して行われた記者会見は型破りだった。延々40分間余にわたって、英のフィナンシャルタイムズ紙やエコノミスト誌などに掲載された漫画をひとつひとつパワーポイントで紹介、世界情勢をシャープに活写する渡辺博史総裁の解説は、まさに名人芸の域に達していた。
ユーロを懸命に支えるメルケル独首相の怒り、最悪の危機を脱したもののL字型回復しか見込めぬスペイン経済、ヘルスケアに足を取られたオバマ米大統領の苦悩、そして第1の矢しか飛んでいないアベノミクスの危うさ等々──渡辺氏は難題山積の国際情勢を描いた漫画を通して世界のいまを読み解いてみせた。
その手法は霞が関─大手町では知る人ぞ知る渡辺流だが、漫画に込められたメッセージを子細に読み取る能力と平易に解析する表現力は、並みのエコノミストや学者にはまねできないだろう。
ちなみにSF好き、Mystery好きの少年・青年として育った氏は、本職のマクロ経済・金融に関する論文以外に『ミステリで知る世界120カ国』をも上梓した、硬軟両用の書き手でもある。こういう人を才人というに違いない。
ゲスト / Guest
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渡辺博史 / Hiroshi Watanabe
国際協力銀行(JBIC)総裁 / Governor of the Japan Bank for International Cooperation (JBIC).