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3・11から2年:風化させない決意(2013年3月) の記事一覧に戻る

「声なき声」にも耳をすませて(福島民報社 円谷真路)2013年3月

東日本大震災に加え、東京電力福島第一原発事故に見舞われた福島県は復興を考える上で、他の被災県とは少々、事情が違う。2年が経過した今も原発周辺は立ち入ることさえできず、15万人余が避難生活を送る。

 

本県の被害は現在進行形だ。被災者の生の声を積み上げ、原発事故により生じた問題点を指摘する長期企画に取り組んでいる。下がらない放射線量、消えない風評被害…。県民が抱える苦悩を国や東京電力に訴えるのが、被災地に寄り添うことだと肝に銘じてきた。

 

原発事故から立ち上がろうとする県民には次々と困難が立ちふさがる。長引く避難生活で命を落とす「原発事故関連死」や避難住民の生活再建の遅れへの対応は喫緊の課題だ。

 

他の被災県の復興が進む中、国民から震災と原発事故の記憶が薄れていくのを強く危惧する。風化によって、今も苦しむ被災者の訴えが埋もれてはいけない。声なき声にも耳をすましていくことが、ますます重要になる。

 

(報道部副部長)

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