2026年08月26日 17:00 〜 18:00 オンライン開催
赤根智子・国際刑事裁判所(ICC)所長 会見

会見メモ

米国のトランプ政権が国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長らを制裁対象に指定したことを受け、赤根所長がオランダ・ハーグからリモートで会見した。

 

司会 五十嵐文 日本記者クラブ企画委員(読売新聞社)


会見リポート

「法の支配」守る不動の決意

軍司 泰史 (共同通信社論説委員)

 オランダ・ハーグと東京を結んだオンライン会見の出席者は341人。「ここ数年で最多に近い」(日本記者クラブ事務局)という極めて高い関心を呼んだ記者会見で、国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長が語ったのは、国際社会で「法の支配」を守り抜くという揺るぎのない決意だった。

 トランプ米政権が、ICCの赤根所長ら2人を制裁対象にしたのが8月18日。米政権は、米兵の戦争犯罪捜査やトランプ米大統領の盟友ネタニヤフ・イスラエル首相への逮捕状発行などをめぐってICCを敵視し、「解体」に追い込む方針を鮮明にしている。

 赤根所長は会見で「私には、制裁を受ける理由は全くない」と述べた上で、ICCが重大な国際犯罪の被害者にとって「最後の希望」であることを挙げ、「この制裁はICCだけではなく、法の支配の危機である」と指摘。「正義は常に、これと対極にあるものに優越しなければならない」との信念を語り「ICCは決して負けない」と米国の圧力に屈しない姿勢を強調した。

 新たな制裁により裁判官18人中9人が制裁対象となったが、「職員らの士気は高い」として今後も訴追手続きを進める意向を表明し、日本の制裁抗議署名をはじめとして、各国の弁護士団体や非政府組織(NGO)などから寄せられた多くの励ましに感謝の意を表明した。

 また法の支配を重視する日本は「ICC加盟国の間でリーダーとして仰ぎ見られている」と指摘、「日本政府には今後も、ICCと法の支配を守るための最大限の努力をしていただけると信じている」と語った。

 米国の呼びかけに応じてベネズエラなど数カ国が既にICCからの脱退を表明しているが、日本政府には加盟国の脱退を阻止する外交努力や、制裁のエスカレートを防ぐために米国との対話を重ねてほしいとも要望。会見の最後では「ここが正念場だと思っている」として今後の活動に強い覚悟を示した。


ゲスト / Guest

  • 赤根智子 / Tomoko AKANE

    国際刑事裁判所(ICC)所長 / president, The International Criminal Court (ICC)

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