2024年02月05日 16:00 〜 17:30 10階ホール
「<政治とカネ>を問う」(2) 令和臨調 佐々木毅共同代表、谷口将紀主査総括

会見メモ

政治改革に取り組んで来た令和国民会議(令和臨調)は1月11日に、<政党改革を起点とした令和の「政治改革大綱」の策定を>と題した声明を発表した。

佐々木毅共同代表(元東京大学総長=写真左から1枚目)、谷口将紀主査総括(東京大学教授=同2枚目)が、声明を踏まえ今後取り組むべき課題などについて話した。

 

司会 川上高志 日本記者クラブ企画委員(共同通信)

 

 


会見リポート

政治家の罰則強化に合意を

鶴岡 正寛 (朝日新聞社政治部)

 「雪の日に政治の精神を説く」と、令和臨調の佐々木毅共同代表(元東大総長)は揮ごうした。ちょうど30年前の細川護熙首相と河野洋平自民党総裁による政治改革合意の日と同じく、雪の日の記者会見だった。30年前の合意の前に、両トップを集会にそろって呼んで政治改革の実現を求めたことで知られる「民間政治臨調」の主査だった佐々木氏は、この日の会見でこう強調した。「30年前の改革を無視する出来事が起きたわけだから、放置するわけにいかない」

 「30年前の改革を無視する出来事」とはもちろん、自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金事件だ。今回事件を受け、令和臨調は「政治資金」と「政党ガバナンス」の改革を政党に求める緊急提言を発表した。とりまとめた谷口将紀主査総括(東大教授)がこの日の会見で「与野党協議のたたき台」として説明した。

 政治資金の改革では、今回事件で派閥幹部が立件されなかったのを受け、政治家本人の罰則強化などを今国会中に合意するように与野党に求めた。政治資金を監督する独立性の高い第三者機関の設置なども、今国会中に道筋をつけるように求めた。

 政党のガバナンス改革についても、谷口氏は会見で「平成の政治改革がメスを入れなかった、やり残した課題」と指摘。「今回の政治資金パーティー問題で、帳尻を合わせるだけの議員が相次いでいる。これで説明責任を果たしたとお考えか?」と強調した。政党のガバナンスコードに「疑惑が生じ、あるいは問題を起こした議員に対する説明責任確保と処分の在り方」などの項目を盛り込むように求めた。

 会見後半の質疑応答では、政党を規制する「政党法」の必要性を指摘する質問もあった。谷口氏は「今回の提言は、政党に対する「最後通牒」だ。これで満足なガバナンスをしないのであれば、政党法の制定に踏み切らざるをえない。もう徳俵に足がかかっている状態だ」と答えた。


ゲスト / Guest

  • 佐々木毅 / Takeshi SASAKI

    令和国民会議共同代表/元東京大学総長 / former president, professor, Tokyo University

  • 谷口将紀 / Masaki TANIGUCHI

    令和国民会議主査総括/東京大学教授 / professor, Tokyo University

研究テーマ:<政治とカネ>を問う

研究会回数:2

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