2019年11月27日 14:30 〜 15:30 10階ホール
「オリンピック・パラリンピックと社会」(4) 山下泰裕・日本オリンピック委員会会長

会見メモ

今年6月に日本オリンピック委員会(JOC)会長に就任した山下泰裕氏が登壇し、来年の東京大会への取り組みや五輪への思い、スポーツ界のあり方について話した。

司会 森田景史 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)


会見リポート

金メダル30個めざす/「パラ」との一体感で独自色

名取 裕樹 (共同通信社オリンピック・パラリンピック室長)

 自国で開催される五輪開幕前年に日本オリンピック委員会(JOC)会長に就任して、この日がちょうど5カ月だった。1984年ロサンゼルス五輪の柔道男子無差別級金メダリストは「大変な時期に就任してしまった」と率直に打ち明けながらも、「覚悟は決めている」と口元を真一文字に引き締めた。

 今年のラグビーワールドカップが改めて示したように、東京五輪の成功には開催国・日本勢の活躍が欠かせない。選手強化本部長時代に打ち出した目標金メダル30個の実現のためにも、加盟競技団体などスポーツ界の力を結集し、「選手が準備をやり尽くして果敢に挑戦する」雰囲気をつくりたいという。

 時代に則した独自色を感じさせたのは、障害者スポーツとの一体感や連携を強調したこと。さらに「五輪で勝った負けた、だけがスポーツの魅力ではない」と明言し、「スポーツ・フォー・オール」の推進もJOCの仕事だと、強い意欲を示したことだ。

 後者は競技団体関係者から「JOCに期待されているのは五輪などで勝つこと」と異論が出たそうだが、固い信念がうかがえた。自身も「幻の代表」となった80年モスクワ五輪のボイコットを「日本のスポーツ界に、スポーツの力や価値を、日本を動かしている方々にしっかりと伝える力がなかった」と振り返った。東京五輪を機に、多くの国民にスポーツを理解してほしいと願うのは、その無念もあるのだろう。

 「どんな質問にも誠実に答える」の言葉通り、会場の都合で打ち切られるまで実に50分近く質疑応答に応じたのも山下流か。強化の現状から政治や社会との関わり、コンプライアンス問題など多岐にわたる質問は、JOCが直面する課題の幅広さそのもの。リーダーとして先頭に立ち、この日述べた施策や理念をどう実現するかはこれからだ。


ゲスト / Guest

  • 山下泰裕 / Yasuhiro Yamashita

    日本 / Japan

    日本オリンピック委員会会長 / president, Japanese Olympic Committee

研究テーマ:オリンピック・パラリンピックと社会

研究会回数:4

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