会見リポート
2014年02月26日
13:30 〜 14:30
10階ホール
熊坂義裕 前宮古市長、内科医を囲む会
会見メモ
東日本大震災による被災者から無料で電話相談を受けつける「よりそいホットライン」を運営する社会的包摂サポートセンター代表理事の熊坂義裕・前宮古市長が、被災地の現状、「よりそいホットライン」に寄せられる相談内容、地域医療の再建などについて話した。
司会 露木茂 日本記者クラブ企画委員
一般社団法人 社会的包摂サポートセンターのウェブサイト
会見リポート
被災地の弱者を救うのは「これからが正念場」
石井 達也 (共同通信生活報道部長)
被災者の心のケアのため、どんなことでも相談に乗り解決の手助けもする無料電話相談「よりそいホットライン」が2011年10月、熊坂氏の呼びかけで立ち上がった。電話窓口は365日・24時間オープン。経験豊富な相談員が親身に耳を傾け、緊急性が高いケースは提携するNPO団体などが直ちに支援に動く。従来の電話相談とは異次元の「本気の対応」が評判を呼び、いまや1日にかかってくる電話は約4万件。提携団体は600を超え、守備範囲は全国に広がっている。
熊坂氏をはじめ関係者の献身的な努力にはただただ敬服するばかりだが、相談員が対応できるのは、かかってくる電話の3%程度にすぎないという。年間1000万件を超える「つながらない電話」の向こうには、誰にも悩みを打ち明けられず苦悩し続ける膨大な数の社会的弱者がいる。
医師として市長として、社会の現実と向き合ってきた熊坂氏にして「日本はこんなにも大変な状況になっているんだなぁと思い知らされた」という。特に被災地の現状は深刻。「こちらから手を差し伸べないと悲劇を増幅しかねない」「これからが正念場です」と結んだ。
ゲスト / Guest
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熊坂義裕 / Yoshihiro Kumasaka
前宮古市長、社会的包摂サポートセンター代表理事 / Former Mayor of Miyako city, Head of General Incorporated Association Social Inclusion Support Center