2011年11月29日 15:00 〜 16:30 10階ホール
シリーズ企画「3.11大震災」 石橋克彦 神戸大学名誉教授(地震学)

会見メモ

司会 日本記者クラブ企画委員 瀬口晴義(東京新聞)


石橋克彦氏のブログ

http://historical.seismology.jp/ishibashi/opinion/2011touhoku.html


日本記者クラブのページ

http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2011/11/r00023552/


会見リポート

糸魚川─静岡断層系連動の巨大地震も

小岩井 忠道 (共同通信出身)

東北地方太平洋沖地震後になぜ、震源域から離れた地域でも比較的大きな地震が相次いだのか。これまで明快な解説を聞いた覚えがない。


さまざまな観測データを俯瞰的に見て法則性を探り、仮説を立てて再度、観測データと照らし合わせる。こうした研究手法を実践できる地震学者が少ないからではないか、とも思うがどうだろう。


石橋克彦・神戸大学名誉教授は、35年前、「駿河湾巨大地震説」(東海地震説)を世に問うた地震学者だ。当時、氏は32歳。社会的なインパクトが必至の説を敢然と公表し、実際に世の中を動かした。


今回の記者会見は、10月に地震学会で発表したばかりの話が主だ。


地震をはじめとする日本列島の変動は、太平洋プレートとフィリピン海プレートの沈み込みだけで説明できない。日本海・西南日本から極東アジアを含む「アムールプレート」が東に動いて、東日本が載った「オホーツク海プレート」を押しつけている力も考える必要がある。


東海地震、東南海地震、南海地震あるいはそれらが連動した巨大地震は、駿河─南海トラフで潜り込むフィリピン海プレートの力が主因。一方、1995年の兵庫県南部地震とその前後に起きた地震や1854年の超巨大地震「安政東海・南海地震」の前、数十年間に起きた地震を見ると、アムールプレート東縁(オホーツク海プレートとの境界)で多くの地震が起きていることに注意してほしい。


西南日本は東日本と違い、アムールプレート東縁、特に日本列島を東西に分断する形で南北に走る「糸魚川─静岡構造線断層系」の挙動にも注目すべきだ。駿河─南海トラフ沿いの地震では、東海、東南海、南海地震だけでなく、内陸の糸魚川─静岡構造線断層系が連動する超巨大地震の可能性も考える必要がある…。


今回のメッセージも明快だった。


ゲスト / Guest

  • 石橋克彦 / Katsuhiko ISHIBASHI

    日本 / Japan

    神戸大学名誉教授(地震学) / Professor Emeritus, Kobe University

研究テーマ:シリーズ企画「3.11大震災」

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