2011年06月01日 13:30 〜 14:30 10階ホール
シリーズ企画「3.11大震災」 フランス放射能調査団体 放射能測定分析結果発表 記者会見

会見メモ

シリーズ企画「3.11大震災」

福島県の放射能汚染状況を現地調査したフランスの放射能測定調査民間機関、クリラッド(CRIIRAD、放射能調査情報提供独立委員会)のシャレイロン氏が記者会見し、福島第一原発事故による放射能汚染の現状報告と対策を話した。


≪日本政府の年間20ミリシーベルトの許容基準は高すぎる。もっと低い値に設定すべきだ≫


シャレイロン氏は、原発事故後、日本の市民には放射線の情報が与えられず、放射能から守られていなかった、と指摘した。これまでに市民が、外部被ばくや内部被ばくでどれだけの放射線を被ばくしたのかを把握するよう求めた。シャレイロン氏によると、通常の被ばく線量上限は年間1ミリシーベルトだが、日立市で測定したところ、1日12時間、屋外にいると12カ月間で1ミリシーベルトを超えることになるという。福島市でも、「地上1メートルの地点で通常の10倍から20倍の値を測定した」という。市民が自分たちで放射線量を測定すると政府に許容量を引き下げるよう求める足掛かりになる、と説明した。また福島第一原発から放出され続けている放射能を常時測定するシステムがないことにも疑問を呈した。

クラリッドはチェルノブイリ原発事故後の1986年設立され、放射能汚染と原子力に関する危険性について調査し、市民への情報提供を目的とした独立団体。


司会 日本記者クラブ企画委員 会田弘継(共同通信)


クリラッドのホームページにある福島第一原発事故の日本語訳サイト

http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon_bis/en_japonais/japonais.html


会見リポート

ずさんな放射線管理に衝撃

フランスの放射性物質の汚染調査団体クリラッドのシャレイロン研究所長の記者会見は、異色だった。NPO「測定機47プロジェクト」の岩田渉代表との共同会見場には多くのNPO関係者も参加。終了後に演壇を囲んで1時間質疑が続いたのも異例だった。


いまだに放射性物質を放出し続ける東電福島第一原発事故への不安と、都合の悪い情報を隠して国民の知る権利に背を向ける政府、東電への不信感と怒りが切実であることを示したものだろう。


チェルノブイリ原発事故後に設立されたクリラッドは、放射性物質を測定する独自の研究所を持ち、放射線から市民を防護する情報の提供を目的とする非政府組織(NGO)だ。5月24日から30日まで福島県浪江町や福島、郡山市、茨城県日立市などで土壌や空中の放射線量を調べた。


「原発事故の直後に福島県民は放射線量の情報を正確に知らされず、放射能から防護されなかった。政府の放射線量の発表は1週間後になってからだった」「チェルノブイリ事故から25年の経験があるのに日本の放射線管理がこんなにずさんなことにショックを受け、憤りさえ感じた」と日本政府の対応を批判する。


日本政府が住民避難の基準とする年間20ミリシーベルトの積算被ばく線量は、通常受け入れが許容される年間1ミリシーベルトに比べて「高すぎる」という。地元住民は事故直後に大量の被ばくをした可能性が高く、その後も空気中の放射性物質を吸入しているのだから、基準をより低く設定するよう政府に求めるべきだと強調した。


計画的避難区域に指定された飯舘村の畑を測定したら年間60ミリシーベルトの所もあった。福島市でも年間7~9ミリシーベルトの所も。特に甲状腺がんの被害を受けやすい子どもたちを緊急に避難させるべきだという。住民の不安を解消するために、政府はきちんと説明するべきだ。


共同通信社論説委員 粟村 良一

ゲスト / Guest

  • ブルーノ・シャレイロン / Bruno CHAREYRON

    CRIIRAD(クリラッド)研究所長

研究テーマ:シリーズ企画「3.11大震災」

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