2001年05月23日 00:00 〜 00:00 10階ホール
白川英樹・筑波大名誉教授・2000年ノーベル化学賞受賞者「独創性豊かな人材を育てるために-これからの科学技術のあり方について」

会見メモ

 筑波大学教授を退官後「導電性ポリマーの発見と開発で」昨年ノーベル化学賞を受賞、現在は科学技術総合会議(議長=小泉首相)議員の白川氏は「独創性豊かな人材を育てるために−これからの科学技術のあり方について」淡々と語った。

 「国民の科学技術への期待と関心は高いのに、大学生の学力低下や若者の理科離れが叫ばれている。真の問題は思考能力の低下で、学力が知的好奇心に結びつかない。その理由は①小・中・高から大学まで教師やテキストの説明をうのみにして疑問を持たず、自分で考えようとしない、②科学技術の進歩で身の回りの機器がブラック・ボックス化した、③視聴覚教育が進み、実物に直接触れる機会が減った、④教師が大勢の生徒を教える一斉授業では個性や創造性が伸びない」

 「研究者養成にも問題がある。①大量生産―大量消費―大量廃棄社会が公害と環境悪化を招き、科学技術が悪者にされ出した、②理科の単位と時間が減り、中学の理科教育が高校へ移され、高二から理系と文系に分けられる、③教員養成の大学・学部は文系に多く、理工系は免状が取り難いのに、近年採用人員は減り、日進月歩の科学技術に教師が追いついていけない、④若者の素朴な疑問に教師自身が答えられず、動機付けができない。未知に満ちた科学を完成、固定したものとして教えてはいけない。異端を排除する横並び教育では個性や独創性が育たない」

 厳しい直言だった。もっと詳しく知りたい方は同博士著『化学に魅せられて』(岩波新書)をどうぞ。

日本記者クラブ会報2001年6月号8ページから引用

会見音声


ゲスト / Guest

  • 白川英樹 / Hideki Shirakawa

    筑波大名誉教授・2000年ノーベル化学賞受賞者 / Professor, Tsukuba University

研究テーマ:独創性豊かな人材を育てるために-これからの科学技術のあり方について

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