2007年10月18日 00:00 〜 00:00
緒方 貞子 国際協力機構(JICA)理事長


会見リポート

2008年は「試される年」に

脇阪 紀行 (朝日新聞論説委員)

国際協力機構(JICA)理事長に10月再任されたのを受けての会見だ。日本の援助政策と外交のあり方について、久しぶりに元気なサダコ節が聞かれた。

「長い間、あの国は忘れられた国だった。どうか忘れないでください。メディアの方にもっと現地に取材に行っていただきたい」。アフガニスタンへの支援を問われて、緒方氏はこう答えた。

90年代は国連難民高等弁務官として難民支援に奔走し、01年のアフガン戦争後は復興支援の先頭に立った。ところが治安が悪化し、現地のJICAの活動も慎重にならざるをえない。「2年間支援してきたのに、最近は職員も動きにくくなってきた」と言葉に悔しさがにじむ。

ミャンマー軍事政権への制裁強化論について、「国と国民は別。人道的援助は続けるが、弾圧を助長させる援助はできない」と明快だ。そういえば緒方氏は、90年に国連人権委員会の依頼でこの国の人権状況を調査したことがある。

緒方氏がその重要性を力説したのが、来年5月に予定されているアフリカ開発会議(TICAD)だ。成長への加速、人間の安全保障、環境・気候変動がテーマになったが、具体策はこれからだ。7月には洞爺湖サミット、10月には、JICAと国際協力銀行との統合による新JICAの発足が待っている。

失礼ながら、9月に80歳の誕生日を迎えた人とは思えない気迫である。「2008年は日本が試される年になる。リーダーシップを発揮しなければ」「来年は踏ん張る年になる」といった言葉が次々出てくるのは、目の前の政局対応に追われている政治の現状への不満と同時に、内向きになっている日本への警鐘のように聞こえた。

ゲスト / Guest

  • 緒方 貞子 / Sadako Ogata

    日本 / Japan

    国際協力機構(JICA)理事長 / Director General, JICA

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