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第16回(フランス・スイス)エネルギー事情、政策転換と核燃料サイクルの現場(2016年10月) の記事一覧に戻る

「責任」とは何だろうか(高橋 央樹)2016年10月

仏原子力大手、新アレバの幹部は「使用済み燃料の再処理は経済性を超えた環境への責任だ」と語った。放射性廃棄物管理公社は、将来世代への責任として「可逆性の担保」を強調した。フランスは高速炉開発に絶対の自信を見せた。だがアストリッド計画マネジャーの言葉には、同計画の実現性に不透明感が漂った。

 

日本でも最終処分をめぐり「現世代の責任」という言葉が使われる。国はこれまでの総括もないままに原発の再稼働を進め、核燃料サイクルを維持する方針を示す。高速炉開発の議論も始まった。「責任」とは何だろうかと、今も考えている。

 

(新潟日報社報道部) 

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