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スピード復興と防災意識のかい離(浜中 伸之)2015年11月

震源地の四川省?川県では、被災地とは思えない3階建ての真新しい建物が並んでいた。太い柱に支えられた飲食店や鉄筋の新築家屋を前に、住民や政府関係者らは、「マグニチュード8の地震でも建物は大丈夫だ」と口をそろえる。地震発生からわずか2年ほどでスピード復興を成し遂げた自信なのだろうか。逆に、防災の意識を感じることはできなかった。

 

四川大地震は主要な活断層3本(計約300キロ)が動いて発生したが、まだ動いていない主要断層もあるという。周辺では2013年にも大地震があった。教訓として残された倒壊建物を見ながら、日本でも防災意識を持ち続ける大切さを紙面で伝えなければと感じた。

 

(読売新聞大阪本社科学医療部)

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