ベテランジャーナリストによるエッセー、日本記者クラブ主催の取材団報告などを掲載しています。


記者が観た映画「ペンタゴン・ペーパーズ」 の記事一覧に戻る

報道決断までの折り重なる葛藤(仙石 伸也)2018年3月

日本記者クラブの試写会で「ペンタゴン・ペーパーズ」を鑑賞した。題材はつとに有名な「米最高裁は米国憲法が保障する言論・報道の自由と国家の安全に関する、新聞と政府との歴史的な裁判において、新聞側の主張を認める判決を下した」こと。

 

1971年6月13日、ニューヨーク・タイムズがベトナム戦争に関する国防総省の極秘文書をスクープ。政府の訴えを認め連邦裁判所は同紙に差し止めを命じる。一方、当時はローカル紙扱いされていたワシントン・ポストも編集主幹ベン・ブラッドリーの指揮の下、秘密文書の入手に成功。同18日、法的措置が必至の中で掲載に踏み切る。

 

決断に至るまでに折り重なるさまざまな葛藤。報道とは何のために、新聞の経営とはを縦糸に、キャサリン・グラハムの「新聞社の社主」への成熟を横糸にストーリーは進む。2紙の決断に呼応し多数の新聞が極秘文書に基づく記事の掲載に踏み切る。

 

30日、最高裁で「合衆国建国の父は、憲法修正第1条をもって民主主義に必要不可欠である報道の自由を守った」で始まる判決が読み上げられた。監督はスティーブン・スピルバーグ。

 

同クラブのウェブサイト内の「取材ノート」に、滝鼻卓雄元理事長らが感想をつづっている。30日から公開。必見の映画だ。「新聞研究」3月号と合わせ新人研修にも適当。

 

(せんごく・のぶや 日本新聞協会出版広報部長兼出版広報担当主管)

 

201836日付・新聞協会報1面コラム「週間メモ」から転載

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