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3・11から3年:風化させない決意2014(2014年3月) の記事一覧に戻る

「南海トラフ巨大地震」に備えて(高知新聞社 中平雅彦)2014年3月

3・31は、3・11とともに記憶に刻まれる日となった。「高知県沿岸部を最大34メートル、20~30メートル級の大津波が襲う」。東日本大震災の翌12年3月末、内閣府から南海トラフ巨大地震に関する衝撃的な新想定が示されたからだ。

 

東日本大震災が起きたとき、新印刷工場は未着工。用地は高知自動車道・南国インター近くに取得していた。大津波を想定して購入した土地ではないが、内陸部にあり標高は40メートル超で津波被害の心配はない。安堵した。

 

鉄骨造り3階建ての建屋は、建築基準法の1・25倍の耐震構造とした。着工後、土地造成時に放置されたと思われる不発の発破がみつかったほどだから、地盤は強固だ。

 

非常用自家発電機の燃料タンク容量も増強。当初の2、3日分(8000リットル)から約1週間分の2万リットルに増やした。さらに、取材車両用のガソリンと輸送トラック用の軽油を1週間分備えた自前の「ガソリンスタンド」を新設した。いずれも大震災を教訓にした追加措置だ。

 

問題は高知市中心部にある本社社屋。築40年が経過し、耐震補強工事は済ませている。新想定で浸水被害を受けることがわかったが、社屋の建て替えや移転は考えていない。マシンルームなど編集機能の心臓部を別棟にするかどうか課題は残っているが、最小限の投資で乗り切る考えだ。

 

高知県全域が震度7に見舞われると想定されるなか、いかに新聞発行を続けていくか。悩みながら対策を積み上げていく日々が続く。

 

(なかひら・まさひこ 取締役編集局長)

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