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3・11から3年:風化させない決意2014(2014年3月) の記事一覧に戻る

次代へ、守れ命を(神戸新聞社 長沼隆之)2014年3月

来年1月17日、阪神・淡路大震災は発生から20年となる。被災地の苦しみや犠牲者の思いを忘れず、復旧・復興に取り組んできた歩みを風化させず、次の世代にどう受け継いでいけばいいのか。いま私たちが直面している課題である。

 

弊社では、昨年5月から震災を語り継ぐ社内の勉強会を、月命日の毎月17日を中心に開いている。

 

震災当時を直接知る記者は、社内でも半数余りに減った。勉強会では当時を知る記者が若手記者らに体験を語ったり、震災が突きつけた教訓や課題、報道の在り方などを議論したりしている。

 

毎年1月17日、神戸・東遊園地の追悼の場に足を運ぶと、20年近くを経てようやく震災と向き合えるようになった人、風化に危機感を覚えてつらい体験を初めて口にする人がいる現実に胸を打たれる。東日本大震災の被災地との交流が年々深まっていることも実感する。

 

近い将来、発生が懸念される南海トラフ巨大地震の被害想定も示される中、阪神・淡路の経験や教訓を語り継ぐ重要性とともに、困難さも増している。今後本格化する震災20年報道では、被災地と向き合いながら、検証・発掘しなければならないテーマは多い。次代へ、教訓と経験をどう伝え、残し、生かすのか。社内外の知恵を結集し、発信していきたい。すべては、命を守るために。

 

(ながぬま・たかゆき 社会部災害特報班デスク)

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