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第9回(ハワイ)米軍基地(2012年1月) の記事一覧に戻る

米軍と自衛隊の強固な仲間意識(水野 哲也)2012年1月

今回の取材で強く感じたのが、米軍と自衛隊の関係の強さだった。

 

目玉だったのが、ウィラード・米太平洋軍司令官の会見。北朝鮮情勢や沖縄の普天間基地移設問題、米軍の東アジア戦略などについて、一時間以上にわたり率直に答えてくれた。会見の中でウィラード氏は、自衛隊トップの折木良一統合幕僚長(当時)について触れ、「彼を超える人物が今後出てくるとは考えにくい」と賛辞を送った。両氏は東日本大震災で発生直後から綿密に連絡を取り合い、共同作戦を実施した間柄だ。私は防衛省担当記者として、両氏が当時、どのように協力して未曽有の事態に対応したかを見てきた。それだけに、ウィラード氏の言葉は決してお世辞ではなく、本音だと言える。

 

部隊レベルでも、イージス艦では、部外者はめったに見ることのできないCIC(戦闘指揮所)の中を取材団に公開し、作戦中の役割や機器の使い方について丁寧に説明してくれた。C17輸送機の乗組員の多くは東日本大震災の救援活動に派遣された経験があり、当時の様子を身ぶり手ぶりで教えてくれた。また、P3C哨戒機の部隊では、「トモダチ作戦」を象徴する「友」と書かれたワッペンを付けた搭乗員たちが、対潜作戦のやり方などについて気さくに答えてくれた。

 

この厚遇はもちろん、取材ツアーを企画した日本記者クラブ事務局の調整の結果でもあろう。しかし背景には、朝鮮半島や東シナ海で米軍と自衛隊が共に作戦を行う中で生まれた強固な仲間意識があるのは間違いないだろう。

 

パールハーバーには、約70年前の真珠湾攻撃で沈んだ戦艦アリゾナと、降伏文書の調印式が行われた戦艦ミズーリがあった。街では日本人観光客が楽しげに行き交う。日本が歩んできた長い道のりを思わずにはいられなかった。

 

(読売新聞防衛省担当)

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