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第9回(ハワイ)米軍基地(2012年1月) の記事一覧に戻る

ウィラード米太平洋軍司令官(団長:加藤 洋一)2012年1月

多岐にわたる質問に明快に答える
今回の第9回海外取材団は1月10日から6日間の日程でハワイ・オアフ島を訪れ、米太平洋軍の司令部をはじめ、同軍傘下にある海、空、海兵隊各軍の基地を視察するとともに、司令官らにインタビューをした。北朝鮮の金正日総書記の死亡から1カ月足らず、米国の新安保戦略指針の発表の直後とあって緊張感の漂う中、有意義な取材ツアーとなった。

 

ハイライトは現地時間12日、ホノルル近郊の太平洋軍司令部で行われたウィラード司令官(海軍大将)の共同インタビューだった。

 

もともと、米軍内でも卓越した戦略思想家として知られる人物とあって、冒頭から北朝鮮や中国について明快な発言が相次いだ。

 

とりわけ北朝鮮については、昨年12月の金正日の死去が「大方の予想を越える早さだった」とし、「(後継者となった)金正恩がどの程度、準備をできたかについては、どうしても不確実性が高まる」と率直に懸念を語った。「最悪の事態」にも備える姿勢を示した。

 

普天間移設問題では、現行合意はなお実行可能としながらも、これ以上、代替施設の建設が遅れるならば「普天間飛行場の基盤整備に対する投資が必要になる」と語った。普天間飛行場のいわゆる「固定化」をも視野においた指摘で、ウィラード氏ならではの踏み込んだ発言だった。
このほか、日本のF35戦闘機の調達決定、東日本大震災に際して米国が実施した「トモダチ作戦」の教訓など、幅広い質問に答えてくれた。

 

当日は日本時間13日で、日本での内閣改造と重なった。急きょ、その点についても感想を求めたところ、閣僚の頻繁な交代には「慣れている」と話すなど、味のある答えが返ってきた。

 

このインタビューは、年が明けてから最初のメディア対応とのことだった。時間もまるまる1時間を割いてくれるという破格の厚遇ぶりで、日本記者クラブに対する先方の高い評価と厚い配慮がのぞいた。

 

現地での手配は、記者クラブ事務局の石川洋企画部長、青山幹史氏が担当し、ツアーにも同行してくれた。ウィラード司令官のインタビューを実現するなど、参加各社の要望を十分に反映する日程を組んでくれたうえ、現地で急きょ必要となった通訳の交代にも迅速に対応するなど、まさに「痒いところに手の届く」完璧な支援をしてもらった。参加各社を代表してお礼を申しあげる。
(朝日新聞編集委員)
 

ウィラード司令官記者会見の動画

 

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