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第8回(ハバロフスク・ユジノサハリンスク)極東ロシア・エネルギー資源(2008年9月) の記事一覧に戻る

産業振興に向け次の一手を(中西 正利)2008年9月

今回の取材で最も違和感を覚えたのは、ハバロフスク便が発着する新潟空港のロビー。日本車の部品を機内に持ち込もうとするロシア人の大行列ができていた。ダンボール何十箱も運び込む集団や、なかには幅2メートルもの巨大部品の運搬を断られる女性も。中古の日本車の修理用とのことだが、航空会社に1キロ900円の超過料を払ってペイするというのは、やはりどこかおかしい。

ロシアの株式市場は、帰国直後の10月6日に主要指標が約2割も下落。8日には取引の一時停止に追い込まれてしまう。資源バブル崩壊でルーブルの価値が下がれば、新潟空港の行列も短くなるのだろうか。

ハバロフスク州のイシャーエフ知事は会見で、日本の自動車産業の進出に期待を表明していたが、アナリストは「産業基盤の未整備な極東への進出はあり得ない」と口をそろえる。

地下資源はいずれ枯渇する。産業振興に向け次の一手を打たなければならないのは、中東の砂漠もシベリアの原野も同じだと感じた。

   (日本記者クラブ会報2008年11月号から転載)

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