2024年08月19日 11:00 〜 12:00 10階ホール
パリ五輪金メダリスト 吉沢恋選手 会見

会見メモ

パリ五輪スケートボード女子ストリート競技で金メダルを獲得した吉沢恋選手が登壇。

今回の金メダル獲得に至るまでの経緯や4年後のロス五輪への思い、スケートボードという競技に今後どのように関わっていきたいかなどについて話した。

 

司会   森田景史 日本記者クラブ企画委員(産経新聞社)

代表質問 榎元竜二 共同通信社編集局運動部記者

                       阿部令 スポーツニッポン新聞社編集局スポーツ部記者


会見リポート

「楽しく滑ることが一番」

榎元 竜二 (共同通信社運動部)

 言葉を一つ一つ丁寧に選び、よどみなく質問に答えていく姿はとても14歳とは思えなかった。今回の記者会見にあたり、まだまだ将来性豊かな吉沢恋選手の口から最も聞きたかったのは「スケートボードの魅力」と「今後の展望」だった。

 パリ五輪の熱狂の渦中、多くの取材を受けてきた吉沢選手だが、スケートボードという競技の魅力について語った言葉は意外と少ない。簡潔にその答えを語ってくれた。「自分の得点が超されてしまっても、他の選手が技を決めれば拍手をして、うれしいって気持ちが湧くところ」

 前回の東京五輪では、女子パークで金メダル候補とされた岡本碧優選手が難度の高い技に挑んで失敗し、表彰台を逃した。号泣する彼女を他国の選手らが担ぎ上げて健闘をたたえ、大きな反響を呼んだ。競技である以上、順位がつくのは仕方ないが「基本はみんな一緒に楽しく滑ることが一番。ライバルって言うよりも、出場選手はみんな友達」との言葉はスポーツの本質をいま一度、考えさせられた。

 14歳にして、スケートボード界の旗振り役の自覚も十分感じた。「自分は東京五輪を見て、パリ五輪を目指した。今度は自分が夢を与える存在になりたい。イベントを開催し、スケートボードを知らなくても、すぐに始められるきっかけをつくれれば」との思いを明かした。

 もちろん、連覇が掛かる2028年ロサンゼルス五輪への意欲も十分。10代前半の突き上げが激しいスケートボードでは、五輪女王の吉沢選手といえども安泰ではない。表情から油断や慢心は一切感じられず「20歳を越えると大会で勝つのは難しくなるというが、そういうところも覆していきたい」と向上心は旺盛だ。改めて吉沢選手だけにとどまらず、今後の日本スケートボード界への期待も大きくした質疑応答だった。


ゲスト / Guest

  • 吉沢恋 / Koko YOSHIZAWA

    パリ五輪スケートボード金メダリスト

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