2024年06月14日 13:30 〜 14:30 10階ホール
赤根智子・国際刑事裁判所(ICC)所長 会見

会見メモ

国際刑事裁判所(ICC)の赤根智子所長が、就任後初めて一時帰国し、会見に臨んだ。

赤根さんは1982年に検事に任官、東京高検や最高検検事などを務めた。2018年に日本人として3人目となるICC裁判官に就任。今年3月に日本人として初めてICCの所長に選出された。

 

司会 大内佐紀 日本記者クラブ企画委員(読売新聞社)


会見リポート

政治的圧力に「屈しない」

大内 佐紀 (企画委員 読売新聞社調査研究本部)

 この日の会見場では、複数の警視庁警護員(SP)が周囲に目を光らせていた。赤根さんは、ウクライナ侵攻を続けるロシアから指名手配されている。国際刑事裁判所(ICC)が昨年3月、プーチン大統領に逮捕状を出した時の担当裁判官だったため、ロシアに「逆ギレ」された形だ。

 イスラエルのパレスチナ自治区ガザ攻撃を巡っては、ICC検察局が今年5月、ネタニヤフ首相の逮捕状を請求した。イスラエルを擁護する米国の議会では、ICC幹部に制裁を科すべきだとの議論がかしましい。

 記者会見前の雑談では、ICC職員の安全を担保するための予算が足りないことも話題になった。

 それでも赤根さんは、個別事件についての言及は避けつつ、「職員、裁判官はこれらに屈してはならないと、毎日の裁判業務に向かっている」と政治的圧力には屈しない考えを強調した。「ICCの司法判断を尊重するべきだという空気を(国際社会に)つくり出すことが政治的な圧力に対する抑制になる」とも指摘し、「法の支配」の尊重を訴えた。

 ICCの加盟国・地域は124にとどまる。国連加盟国193の3分の1以上が未加盟ということで、この中には米中露の国連安保理常任理事国も名を連ねる。

 赤根さんは「ICCがつぶれれば、恒久的な刑事裁判所は世界で二度と生まれない」との危機感も隠さなかった。

 今年3月に所長に就任してから、今回が初めての帰国だ。その目的の一つは、日本人のICCへの理解を深めることだという。日本は最大の分担金拠出国であるにもかかわらず、邦人職員の数が少なく、増やしたいとの思いも口にした。

 「私は帰国子女でも、海外経験が豊富な外交官出身でもない。それでも、十分に仕事をして、18人いるICC裁判官の互選で所長に選出された」。淡々と自らの経験を語りつつ、日本の若者にICCを目指すよう促した。


ゲスト / Guest

  • 赤根智子 / Akane Tomoko

    国際刑事裁判所(ICC)所長 / president, The International Criminal Court (ICC)

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