2024年06月05日 13:30 〜 15:00 10階ホール
「『非正規』の地方公務員をどうする」小山祐・愛知県みよし市長

会見メモ

生産年齢人口の減少を受け地方公務員の担い手不足が深刻化する中で、愛知県みよし市は2024年度から市の非正規職員「会計年度任用職員」の報酬を最大9.5%引き上げることを発表、かねて問題となっていた正規職員との格差是正に動き出した。

小山祐市長が登壇し、「会計年度任用職員」の待遇改善を打ち出した背景、自治体運営の在り方などについて話した。

 

司会 小林伸年 日本記者クラブ企画委員(時事通信社)


会見リポート

「非正規職員の待遇改善に切り込む」

鈴木 穣 (東京新聞論説委員)

 「1日7時間、週5日働いても年収は201万円と知って、衝撃を受けた」。愛知県みよし市の小山祐(おやま・たすく)市長が、非正規職員である「会計年度任用職員」の賃金を4月から大幅に引き上げた動機を、こう語った。

 人口6万人ほどの同市の非正規職員の賃金アップは話題となっている。最大で賃金を9.5%引き上げつつ、正規職員への登用も進める。さらに、働き方改革として市役所の開庁時間を45分短縮、さまざまな手続きをデジタル化するなどして残業の削減にも取り組んでいる。

 踏み込んだ改革へ背中を押したのは、職員の多忙化と非正規職員の待遇問題から人材確保ができなくなり行政サービスの質が低下するとの危機感からだ。

 「行政は社会に対し格差是正や雇用環境の改善を訴えているのに、私たち自身が不安定雇用で低賃金の職員を採用している現実に目を向けなければならない」と問題意識を語った。組織内での懸念や反発もあったと推察するが、昨年秋から検討を始め短期間で実現させた手腕は他自治体からも注目を集めている。

 一方で課題も認めた。収入が上がると社会保険料負担が発生したり、配偶者の扶養から外れたりするため就労時間を減らす非正規職員もいる。いわゆる「年収の壁」を乗り越える働き方を選んでもらうための意識改革の必要性を訴えた。働き方への理解を広げる周知も考えているという。

 さらに、公務員数削減が進められた、かつての行政改革にも言及、「職員を減らして足りなくなったから、人件費を抑えられる非正規雇用を増やした。改革の弊害が限界に来ている」と言う。 同市の正規職員572人に対し、非正規職員は661人。既に正規職員より多く、非正規職員なしでは行政サービスは提供できない。さらなる環境整備にどう手腕を発揮するか注目したい。


ゲスト / Guest

  • 小山祐 / Tasuku OYAMA

    愛知県みよし市長 / Mayor of Miyoshi city, Aichi prefecture

研究テーマ:『非正規』の地方公務員をどうする

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