2024年07月10日 17:00 〜 18:00 10階ホール
2024年度日本記者クラブ賞 受賞記念講演会 後藤謙次・共同通信社客員論説委員、白鷗大学名誉教授

会見メモ

2024年度の日本記者クラブ賞を受賞した共同通信社客員論説委員の後藤謙次さんによる受賞記念講演会を開催する。印象に残る取材や報道にかける思いなどを語った。

 

司会 江木慎吾専務理事・事務局長


会見リポート

パズルのワンピース集めてこそ

古賀 攻 (毎日新聞社客員編集委員)

 政治部で育った記者が、組織を離れてもジャーナリストのままでいるのは意外と難しい。政治は常に「相手のあること」であり、関係者への組織取材抜きには全貌を捉えきれないためだ。

 「政治取材はチームプレーによって初めて全体像が見えてくる」「ジグソーパズルのワンピースを集めて大きな図柄を描くのが政治記者の仕事」

 記念講演で後藤謙次さんは何度も繰り返した。人一倍その特性に通じていながら、共同通信を退社後の後藤さんが「政治評論家」ではなく「政治ジャーナリスト」であり続けたのは、相手に肉薄する取材に最大の価値を置いてきたからにほかならない。現在の仕事について「新聞の情報を、自分の描いた立体図に当てはめてゆく作業の連続」と語ったことからも分かる。

 講演ではベテランらしい豊富なエピソードをよどみなく披露した。田中角栄元首相が「マムシ(記者)は懐に入れてもマムシだが、ワシは人生の先輩だから君らに教える義務がある」と語ったこと。「人材とキノコは山で育つ」という竹下登元首相語録など。

 その経験があるからだろう。「肉声が伝わってこない」と最近の政治記事への物足りなさも口にした。


ゲスト / Guest

  • 後藤 謙次 / Kenji GOTO

    共同通信社客員論説委員、白鷗大学名誉教授

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