2023年12月14日 16:00 〜 17:30 9階会見場
「大学どこへ」(3) 原晋・青山学院大学陸上部監督

会見メモ

青山学院大学陸上競技部の原晋監督が、大学教育の中でのスポーツのあり方、箱根駅伝の全国化の意義などについて話した。

 

司会 乾正人 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)

 

※YouTubeでのアーカイブ配信は1月15日で終了しました。


会見リポート

言葉重んじ内面能力鍛える

竹内 達朗 (報知新聞社運動第二部編集委員)

 第100回箱根駅伝が直前に迫った12月中旬、青山学院大陸上競技部の原晋監督は90分間、エネルギッシュに話し続けた。

 中国電力のサラリーマン時代、豊富なアイデアで「カリスマ営業マン」の異名を取った原監督は、その経験を生かし、独自の指導法で青学大を強豪校に育て上げた。「私は言葉を大事にしています」と明言。東京都町田市の選手寮で学生と寝食を共にしており、毎日の朝食後、選手が日替わりで行う一言スピーチを重要視している。「能力とは身体能力+内面能力。朝の一言スピーチで表現力が豊かになり、内面能力が上がります」と説明した。

 原監督の会見が行われた日、青学大では箱根駅伝に向けた壮行会が行われ、選手は抱負を語った。他校では「一生懸命、走ります」というような単調な言葉が多いが、青学大の選手は違う。小原響(4年)は「アンカーの10区を走りたい。1月3日は先頭で大手町に帰ってきます」と宣言。倉本玄太(4年)は「4年目にして初めて16人の登録メンバーに入りました。青学大では最初で最後の箱根駅伝で活躍した先輩がたくさんいます。自分もそうなれるように頑張ります」と語った。彼らは自らが実現したい走りをイメージして具体的に語ることができる。それは青学大の強さの理由のひとつになっている、と私は考える。

 会見の終盤には日本マラソン界復活への提言にも及んだ。毎年元日に群馬県で開催されている全日本実業団駅伝(ニューイヤー駅伝)について「10月に駅伝シーズン開幕戦として京都御所をスタート、大阪の吉本新喜劇のなんばグランド花月をゴールにすれば、もっと盛り上がる」と大胆な改革案を明かした。

 「『また、原が何を言っているんだ』と炎上すると思いますが、炎上OKです。皆さんが議論してもらえればいいと思います」。言葉を大切にする原監督ならではの言葉だった。


ゲスト / Guest

  • 原晋 / Susumu HARA

    青山学院大学陸上部監督

研究テーマ:大学どこへ

研究会回数:3

ページのTOPへ