2023年12月08日 13:30 〜 15:00 10階ホール
「大学どこへ」(2) ドワンゴ顧問 川上量生さん

会見メモ

IT企業のドワンゴと日本財団が10月末、オンライン大学「ZEN大学」(仮称、4年制)の設置認可を文部科学省に申請した。2025年春の開学を目指している。

角川ドワンゴ学園理事も務めるドワンゴ顧問の川上量生さんが、日本の教育や受験制度の課題、オンライン大学を設立する目的や概要、オンライン教育の未来などについて話した。

 

司会 元村有希子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


会見リポート

格差を解消 AI人材育成

小林 雄一 (読売新聞社教育部)

 2025年4月の開学に向けて認可申請中のオンライン大学「ZEN(ぜん)大学」について、IT大手ドワンゴ創業者の川上氏は「教育格差の解消」と「役に立つAI(人工知能)人材の育成」という二つの目標を掲げているとした。

 22年春の大学進学率は56・6%と過去最高を更新した。だが川上氏は都市部と地方では、進学率に大きな開きがあると紹介。また世帯年収や男女による格差もあると指摘した。場所を選ばず、好きな時間に授業を受けられる大規模なオンライン大学には、「これらの格差を解消できるような構造がある」とした。

 先行例として、オンライン受講生が急増している、米国アリゾナ州立大学を挙げた。学部生の3人に1人は、「世帯の中で大学に通うのは自分が初めて」で、大学進学の門戸を広げていると紹介した。

 現在の計画によると、ZEN大学は1学年5000人と大規模。川上氏は「オンラインなら学生が多いほど、教育の質を高めるためにお金を使える」と強調し、「日本の子どもは減っているが、大学進学の機会がない家庭もある。そういった人でも大学に行ける環境を作りたい」と狙いを語った。

 大学での授業については、AI翻訳が進化している現状を受けて「外国語科目をなくそうとしている」と明かした。また「動画が撮れて編集できる。AIツールを使える。そういう人材があらゆる職場で役に立つ人」として、大学では動画編集やアプリ開発などの科目を設定するとした。

 研究拠点としての充実も目標の一つ。AI研究で知られる東京大学の松尾豊教授と連携した「第二松尾研」を作る構想も紹介した。また地方や海外でのインターンについてノウハウを持つ日本財団の協力を得て、学生が実際に体験する機会を用意。「ネットとリアル(現実社会)の両方に強い大学にしたい」と語った。


ゲスト / Guest

  • 川上量生 / Nobuo KAWAKAMI

    ドワンゴ顧問

研究テーマ:大学どこへ

研究会回数:2

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