2022年11月10日 15:30 〜 17:00 9階会見場
「ウクライナ」(20) 秋元千明・英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)日本特別代表

会見メモ

英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)の秋元千明・日本特別代表が「代理戦争としてのウクライナ戦争」をテーマに話した。

 

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)

 

※YouTubeでのアーカイブ配信は行いません。


会見リポート

情報戦、民間の協力得て露に対抗

川崎 剛 (朝日新聞出身)

 ウクライナ戦争では、マスメディアの戦況や現場の情報が、これまでよりはるかに詳しい。(そして今のところ正しいように思える)。政府の発表やソーシャルメディアで発信される現場情報に加え、戦況の分析など情報をわかりやすく伝えるため、専門家の集団としてシンクタンクが当局とメディアの間に入って情報発信の架け橋の役割を果たしている点が注目される。とくに、英国の王立防衛安全保障研究所(RUSI)と、米国の戦争研究所(ISW)という二つのシンクタンクの存在は大きい。秋元さんは2012年以来、RUSIの日本代表として活動している。前職はNHKの解説委員だった。

 秋元さんによると、ウクライナのマイダン革命とロシアのクリミア併合後の2015年からウクライナはNATOの通信情報庁と情報協力を制度化していた。また、米英などの特殊部隊を受け入れ、ウクライナ軍の近代化、兵士の教育や訓練を強化していた。そして、ロシアの侵攻後は最新兵器の援助に加え、米軍のAWACS(空中警戒管制機)や偵察機の情報がウクライナに提供され、「ロシアが航空優勢を確保できない」状況を作り出してきた。

 それぞれの戦局で、情報がいかに使われたかも語られたが、ロシア侵攻前から、英米の情報機関の機密情報と西側メディア報道でロシアの計画を狂わせようとしていた情報の戦いを知っておくべきだ。

 RUSIやISWに加え、ソーシャルメディアなどの膨大な公開情報を収集・分析する調査報道機関のベリングキャット(Bellingcat)や音声通信を傍受するプロジェクト・オウル(Project Owl)などのNGOが活動している。そして米国のスペースX社の提供する衛星回線によってウクライナ国民が情報にアクセスできてきた。ウクライナと西側諸国は民間の協力を得て、正確な情報を大量に発信することで、ロシアの情報戦に対抗しようとしている。


ゲスト / Guest

  • 秋元千明

    英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)日本特別代表

研究テーマ:ウクライナ

研究会回数:20

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