会見リポート
2022年06月30日
16:00 〜 17:30
10階ホール
「アフリカ開発の現場からーTICAD8を前に」(1) 仲本千津・RICCI EVERYDAY代表取締役COO
会見メモ
8月27、28日にアフリカ・チュニジアで第8回アフリカ開発会議(TICAD8)が開催されるのを前に、アフリカ開発の現状を聞くシリーズの第1回として、仲本千津さんが登壇した。
仲本さんはウガンダで現地の鮮やかな色合いを活かした服やバッグの工房を立ち上げ、シングルマザーなど女性の雇用を創出しながらビジネスを展開している。現地で起業するに至った経緯や苦労した点、今後の展望などについて話した。
司会 出川展恒 日本記者クラブ企画委員(NHK)
会見リポート
その国の人と得意分野生かした支援を
原田健男 (元JNNカイロ支局長 山陽放送出身)
日本政府主導の「アフリカ開発会議(TICAD)」の8回目会合が、8月27・28日の日程でチュニジアで開かれる。会合を前にアフリカ開発支援の現状を聞くシリーズ1回目は、ウガンダで現地のアフリカデザインを生かしたバッグ工房を経営し、女性の地位向上に貢献している仲本千津さんが会見した。
「ウガンダは綿花生産が盛んで、縫製業も観光業に次ぐ産業として伝統があります。そこで女性たちが得意とする縫製の仕事を生かせる事業を進めるのが適切だと思いました」と語る仲本さんは銀行勤務を経てウガンダで農業支援に携わった経験を生かし、7年前起業した。現地女性約20人が働くバッグ工房では、家庭内暴力から逃れたシングルマザーや誘拐され、兵士にされていた女性らも働いている。古いしきたりによる男性中心の社会で夫に暴力を振るわれ、都市に逃げてくるシングルマザーも少なくないそうだ。
縫製業というとアジアでは低賃金で働いている人も少なくないが、仲本さんは正社員として雇っている。ただ、「ウガンダでは縫製分野ではインド人がマネジメントをしていることが多く、ウガンダ人マネジャーは育っていません。英国の植民地時代に(繊維業の盛んな)インドから人を連れてきてマネジメントをさせてきた影響が今も続いています」という。このため仲本さんの会社「リッチ・エブリデイ」では、ウガンダ人女性2人に管理と生産の責任を分担させマネジャー養成を進めているという。
東京・神楽坂にショールームを設け、各地のポップアップストア&オンライン等で販売しているというが、ウガンダでもコロナウイルスが広がり、突然の大統領令により1カ月半ロックダウンが行われ、工場の操業も一時低迷を余儀なくされたそうだ。また円安に加え、空輸等のコスト高をどう克服していくか課題も抱えているそうだが、ウガンダでのバッグビジネスによる女性の地位向上の継続と成功を祈りたい。
ゲスト / Guest
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仲本千津 / NAKAMOTO Chizu
RICCI EVERYDAY共同創業者兼代表取締役COO / Co-Founder & COO, RICCI EVERYDAY
研究テーマ:アフリカ開発の現場からーTICAD8を前に
研究会回数:1