2022年07月19日 15:00 〜 16:00 10階ホール
「こども家庭庁」(6) 野田聖子こども政策担当相

会見メモ

子ども政策の司令塔となる、こども家庭庁の設置関連法とこども基本法が6月15日に国会で成立した。

政府は準備室を立ち上げるなど、来年4月の同庁発足に向けた準備が進めている。

野田聖子こども政策担当相が登壇し、こども家庭庁の意義、子ども政策のあり方などについて話した。

 

司会 辻本浩子 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)


会見リポート

「子どもだったら」を施策に

土井 はるか (時事通信社内政部)

 今国会会期末に関連法が成立し、2023年4月の発足に向け、準備を本格化させた「こども家庭庁」。野田聖子こども政策担当相は冒頭、「有権者も、選ばれた国会議員も、行政も、マスコミも、子どもに対してずっと放置してきた結果、とてつもない人口減少が国のすべてのものにストップをかけている」と子ども施策の重要性を説いた。

 長年叫ばれてきた人口減少だが、子ども施策はあまり重視されてこなかった。大人を通した納税により、子ども自身が消費者であり、大人と対等な意見表明者ということが見過ごされてきたからだと分析する。

 日本の「結婚していないと子どもを産めない空気」が少子化の原因だと指摘。欧米では婚外子が多い一方で、日本は2%。婚姻件数は1960年で86・6万件だったのが、2020年では52・6万件と減少した。「少子化は女性と子どもの問題とされてきたが、男性がどんどん結婚しなくなっている」とし、国の変化に応じた政策作りに意欲を見せる。

 こども家庭庁の創設により、「子どもだったらどう考えるかという新しいイノベーションを施策に」と期待を込める。政策の対象は胎児からにし、女性の活躍も支えていく。すべての子どもが出自に関係なく育ち、教育を受けられるよう取り組むとともに、傷ついた子どもが、手を伸ばせば親以外の手が待っている社会を目指す。保育や幼児教育を受けていない未就園児への積極的なケアや、障害児を施策の対象に加えること、子どもに年齢制限を設けず支えていくことにも注力する考えだ。

 21年末までは「こども庁」として議論してきた。名前変更の経緯については、「家庭はイデオロギー的なものではなく、居場所だと思っている。むしろ今は血のつながった親でなければならない家庭観を変えていく必要がある」として、あえて「家庭」を加えたと説明した。 


ゲスト / Guest

  • 野田聖子 / Seiko NODA

    こども政策担当相

研究テーマ:こども家庭庁

研究会回数:6

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