2022年06月15日 15:00 〜 16:00 10階ホール
クレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日ドイツ大使 会見

会見メモ

主要7カ国首脳会議(G7サミット)が6月26日から28日、ドイツ・エルマウで開かれるのを前に、議長国であるドイツのクレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日大使が登壇。G7サミットで取り上げられるウクライナ情勢、気候変動問題などの展望などについて話した。

 

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)

通訳 田口絵美 駐日ドイツ大使館


会見リポート

G7前、日独関係の重要性強調

松井 健 (朝日新聞元ベルリン支局長)

 昨年9月の日本着任以降、2度目の会見となるクレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日ドイツ大使。主要7カ国(G7)サミット(6月26日〜28日)がドイツ南部エルマウで開かれるのを前に、議長国ドイツの立場を説明した。ロシアのウクライナ侵攻を機に、ショルツ政権は国防費の大幅増額やロシアへのエネルギー依存からの脱却など政策転換に踏み切った。ドイツ語で「ツァイテンヴェンデ(時代の転換)」と呼ばれる、この政策転換への関心は日本でも高く、会場、オンラインの双方から質問が相次いだ。

 ゲッツェ大使はまずサミットについて説明。テーマとして、ロシアのウクライナ侵攻への対応や気候変動対策を挙げた。ウクライナ侵攻で、G7の連携はこれまで非常にうまく機能していると評価。ウクライナ以外では、ドイツが議長国として設定した「公正な世界のための前進」というテーマの下での「持続可能な地球のための強力なアライアンス構築」「経済の安定と変革の方向づけ」といった重点目標を挙げた。

 続いて、ドイツの政策転換について詳しく話した。国防費増額のための1千億ユーロの特別会計やウクライナへの重火器支援を説明し、「ロシアの侵略戦争の企ては失敗しなければならない」と述べた。ロシアへのエネルギー依存の低減については「取り組みが容易ではないことはわかっているが、長期的に見てプラスになると確信している。ロシアに明確な意思表示をすることが重要なのだ」と力を込めた。

 日独関係の重要性も強調した。ドイツのインド太平洋戦略について語ったほか、特に協力できる分野として、ショルツ首相が唱える「賢明なグローバル化」を挙げた。経済安全保障や、水素など新しいエネルギー技術といった分野での協力について、「日独が持つ技術力と革新力は互いを補うことができ、連携強化は双方の利益にかなう」と話した。


ゲスト / Guest

  • クレーメンス・フォン・ゲッツェ / Clemens von Goetze

    ドイツ / Germany

    駐日ドイツ大使 / Ambassador to Japan

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