2022年03月18日 11:00 〜 12:00 10階ホール
北京冬季五輪金メダリスト 平野歩夢選手 会見

会見メモ

北京冬季オリンピックのスノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢選手が会見し、冬季五輪や自身の競技観などについての質問に答えた。

 

司会 森田景史 日本記者クラブ企画委員(産経新聞)

代表質問 矢萩雅人 読売新聞編集局運動部記者

     細野友司 報知新聞編集局運動第二部記者


会見リポート

チャレンジは終わらない

角田 直哉 (毎日新聞社運動部)

 ゆっくり、一つ一つ丁寧に発せられた平野歩夢選手の言葉には人を引きつける不思議な魅力がある。

 最も注目していたのが、平野選手が今後、どのような挑戦をしていくのかという点だった。金メダル翌日は「ゆっくり整理したい。まだやっていないことを始めるのもいいし、スノーボードとずっと向き合う時間もいい」と話すにとどまっていた。

 約1カ月がたっても「はっきり決まったことは言えない」という。だが、こうも話した。「同じ4年を選ぶよりは、この4年間以上のものがどこにあるのかを探している。違った姿を見せられたら(いい)なって言うのと、また新たな挑戦に踏み出していきたいのもある」。その上で2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪への意欲も見せた。「新しい技にもチャレンジしていきたいと思うし、次の冬季五輪も続けていける限りはチャレンジしていきたい」。力強い言葉は、平野選手のさらなる進化を感じさせた。

 北京五輪での戦いは極限の激闘だった。昨夏の東京五輪にスケートボードで出場してから準備期間はわずか半年。その間に大技「トリプルコーク1440」を完成させた。「他の人では味わえない経験(をした力)を自分は信じていた。それで最後、重圧を感じる場でも、緊張感よりも自信を感じた」。2位で迎えた最終滑走。トリプルコーク1440など五つの技を完璧に決めて逆転で頂点に立った。「重圧、皆の滑り、2回目のランで(得点に)納得できていない部分。全てが含まれた最後の一本で、出し切れた」と振り返った。

 会見で平野選手は、何度も「チャレンジ」という言葉を口にした。「自分のこだわりの一つ。スノーボードの技でも人生観でも、自分しかない部分にこだわっていきたい」。平野選手は、これからも私たちを「アッ」と驚かせてくれるかもしれない。そんな予感がする1時間だった。


ゲスト / Guest

  • 平野歩夢 / Ayumu Hirano

    北京冬季五輪スノーボード男子ハーフパイプ金メダリスト

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