会見リポート
2021年08月06日
14:00 〜 15:00
オンライン開催
「新型コロナウイルス」(71) 藤井比早之・内閣府副大臣
会見メモ
藤井比早之・内閣府副大臣が登壇し、ワクチン接種や新型コロナウイルスを踏まえ進められるデジタル改革の現状などについて話した。
藤井副大臣は、兵庫県出身。1995年に自治省(現総務省)に入省した。2006年総務副大臣秘書官、09年滋賀県彦根市副市長などを経て、12年衆議院議員。第3次安倍再改造内閣で国土交通大臣政務官を務めた。
20年9月から内閣府副大臣として規制改革、デジタル改革、ワクチン接種を担当している。
司会 江木慎吾 日本記者クラブ専務理事兼事務局長
会見リポート
新たなデジタル社会の構築必要
松田 俊輔 (読売新聞社科学部)
8月6日に首相官邸のホームページで公表されたデータによると、高齢者の約8割が新型コロナウイルスワクチンの接種を完了。菅義偉首相が掲げた「7月末の高齢者接種の完了」という目標は、おおむね達成された形だ。
「4月に総理が言及した際、達成可能と答えた自治体は4割を切っていた」と当時を回顧。5月末から接種を本格化させた自治体が多い中で目標を達成できたことについて、「日本の地方自治の底力を見せて頂いた」と感謝の言葉を述べた。
接種体制の整備に当たっては、厚生労働省を中心にしながら、総務省が自治体の支援、経済産業省が注射器などの調達、文部科学省が大学での接種など、各省庁が連携し、都道府県も職員を派遣して支援した。「担当大臣を置き指揮をふるわれたことで、省庁あげての協力体制が実現した」と分析した。
また、接種が早く進んだ地域では、高齢者が集会所に集まって一緒にバスに乗り、集団接種会場を訪れるなどしていたといい、「集落でのつながりが大きく影響した」と評価。「アナログなやり方だが非常に効率的だった」と強調した一方で、「集落の高齢化が進む10年後、20年後に、同じ手法が通用するかは分からない」と危機感も示した。
こうした課題を解決するために急務なのが、社会のデジタル化だ。接種前の予診をオンラインで行うなど、これまでにない試みもみられたが、複数存在するワクチン接種後の登録システムを巡っては、登録の遅れなどで混乱も起きた。10万円の定額給付金の事務作業については、「デジタル化の遅れが大きな痛手となった」と悔やんだ。
9月1日に発足するデジタル庁は、新たなデジタル社会構築の旗振り役を担うことになる。「『デジタル敗戦』後の日本の姿を築かなければならない」とし、「新たな経済成長、地平を切り開いていく必要がある」と述べた。
ゲスト / Guest
-
藤井比早之 / Hisayuki Fujii
内閣府副大臣
研究テーマ:新型コロナウイルス
研究会回数:71