2021年05月27日 15:00 〜 16:00 オンライン開催
尾﨑治夫・東京都医師会会長 会見

会見メモ

東京都医師会の尾﨑治夫会長が登壇し、東京都における感染状況、ワクチン接種の状況、東京オリンピック・パラリンピック開催に対する都医師会としての考えについて話した。

司会 黒沢大陸 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)


会見リポート

宣言解除へ数値目標が必要/今のままなら五輪は無観客

堀井 恵里子 (毎日新聞社論説委員)

 新型コロナウイルスの感染「第4波」では、大阪府が「医療崩壊」ともいわれる状況に陥る一方、東京都は持ちこたえている。尾﨑氏はまず、「第3波」の反省からコロナ患者の受け入れ病床を増やし、症状が改善した人を引き受ける後方支援病院としても約1000床を確保したことを紹介した。ワクチンも、都内では診療所など4830カ所、病院650カ所で接種が可能になっているという。

 この日は、政府が緊急事態宣言の延長を決める前日というタイミングで、「(宣言解除の)きちんとした数値目標を出してもらいたい。例えば、東京で新規感染者数が100人以下に減ってくることが必要だ」と指摘した。

 開催まで約2カ月と迫っている東京オリンピック・パラリンピックについては、「今の状況なら無観客で開催が最低限の話ではないか。観客も必要かなという考えでは安全な五輪はできないと思っている」と主張した。

 ワクチン接種が感染対策として奏功するのか気になるところだが、64歳以下の接種の本格化は8月以降とみられる。「十分感染を防げる状況にはならないだろう」と指摘した。

 無観客でも開催に課題は多い。

 パブリックビューイングが予定されており、人が集まれば感染リスクが高まる。中止してテレビ観戦にしたほうが「ステイ・ホームにもなる」との主張はもっともだ。

 参加国の中にはワクチン接種が進んでいないところもある。スポンサーやメディアの感染対策は選手ほどには厳しくできないとみられており、「国の内外でいろんなタイプのウイルスが広がる可能性は皆無でない。十分そこは考えないといけない」という。

 日本での事前合宿を取りやめた海外チームもあり「(日本のような)蒸し暑さに慣れていない国の選手は、相当なハンディキャップを負うのではないか」と気遣った。


ゲスト / Guest

  • 尾﨑治夫 / Haruo Ozaki

    東京都医師会会長 / Chairman,Tokyo Medical Association

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