2021年05月11日 14:00 〜 15:30 オンライン開催
「新型コロナウイルス」(61) 変異ウイルスとワクチン 宮坂昌之・大阪大学名誉教授

会見メモ

大阪大学免疫学フロンティア研究センターの招へい教授で、 同大名誉教授でもある宮坂昌之さんがリモートで会見し、最近の知見をもとに変異株の現状、ワクチンの効果などについて話した。

司会 元村有希子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


会見リポート

変異株対策、「1密」も回避を/ワクチンの有効性、損なわれず

渡辺 諒 (毎日新聞社科学環境部)

 高齢者への接種が進み始めた新型コロナウイルスのワクチン。メッセンジャーRNA(mRNA)を使った新しいタイプのワクチンで、有効性の高さに注目が集まる。実際に、多くの国民が接種した国では、新規感染者の減少傾向が見られている。宮坂昌之・大阪大学名誉教授は昨年、ワクチンの安全性が判然としないことから、積極的に接種は受けないと公言していた。しかし、現在では、安全性も確認できたとして、「意見を変えて、必ず2回打つ。みなさんも当事者意識を持って、自分の身は自分で守るために接種を」と呼び掛けた。

 世界で猛威を振るう変異株への効果については、少し効果が下がることがあっても、「有効である」との認識を示した。ワクチン接種で体内にできる抗体は、ウイルス表面のスパイクたんぱく質に取り付いて、人の細胞への結合を邪魔する。多少の変異では、抗体が認識するスパイクたんぱく質側の目印が、大きく変わらないことが、その理由だという。

 日本国内で、新規感染者数がワクチンの効果で下降傾向となる見通しを、国民の半数以上が2回接種する必要があることから、「今年の後半」と指摘。日本ではワクチンを多くの人に同時期に接種することは歴史上初めてで、時間がかかるのはやむを得ないとの考えだ。

 そのため、接種が行き届くまでは、感染力の高さなどが指摘される変異株に対し、従来の対策をより慎重に行う必要があると訴えた。具体的には、3密の徹底だけでなく、密集、密接、密閉のうち1密だけでも回避することや、二重マスクの徹底などが必要になる可能性を示した。

 その上で、変異株を早期に見つけるゲノム解析の調査は必要としながらも、本来は「国に入れないようにすることが一番大事。ここが非常に中途半端になっているので、変異株対策ができていない」と、国の水際対策に苦言を呈した。


ゲスト / Guest

  • 宮坂昌之 / Masayuki Miyasaka

    大阪大学免疫学フロンティア研究センター招へい教授 / 大阪大学名誉教授

研究テーマ:新型コロナウイルス

研究会回数:61

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