2021年01月18日 16:00 〜 17:00 オンライン開催
津田雄一「はやぶさ2」プロジェクトマネージャ 会見

会見メモ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」プロジェクトでプロジェクトマネージャを務める津田雄一・宇宙科学研究所教授に、小惑星「リュウグウ」からのサンプル回収に成功するまでの道のりや背景、今後の展望などについてオンラインで聞いた。「はやぶさ2」は2014年12月3日に打ち上げられた。津田氏は2015年4月に39歳でプロジェクトマネージャに就任、プロジェクトを率いてきた。

司会 元村有希子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)

JAXA「はやぶさ2」プロジェクト

YouTube会見動画

会見詳録


会見リポート

「失敗の共通体験が重要だった」

池田 知広 (毎日新聞社科学環境部)

 スーツにネクタイ姿で、ウェブ会議システムを通じて会見に応じた。これまでは作業服を着て、科学記者にミッション内容の説明を繰り返してきた津田さん。新鮮に映るスーツ姿からも、小惑星探査機「はやぶさ2」の任務が一段落したことがうかがえる。今年は「10年ぶりくらいにリラックスした正月を迎えられた」と笑う。

 はやぶさ2は昨年12月、小惑星リュウグウから約5・4㌘の岩石を地球に持ち帰った。初代はやぶさの5400倍にも及ぶ量だ。オーストラリア上空に岩石を収めたカプセルの火球が見えた時は、苦労が思い出されて目頭が熱くなったという。

 「強いチームを作るために、チームが『失敗』を共通体験することが大切だった」。メーカーや大学の研究者も含めたプロジェクトメンバーは総勢600人。ただ、配下のコアメンバーは10人程度に過ぎなかった。そんな「フラットだけど大規模なチーム」を強くするために取り入れたのが、本番さながらのシミュレーション訓練だ。わざとトラブルを起こして事前に失敗することで、チームワークを高めた。

 2015年、39歳でプロジェクトマネージャに抜擢された津田さんは1回目の着陸成功時に「人類の手が新しい小さな星に届いた」と宣言するなど、たびたび印象的なフレーズを繰り出してきた。好きな作家は司馬遼太郎さんと塩野七生さんで、「マネジメントの本としても面白い」と評する。類いまれな統率力と力強い言葉の源泉は、歴史小説にあるのかもしれない。

 目下の夢については「火星より遠くの天体や巨大な小惑星はフロンティア。目指していきたい」と語った。はやぶさ2は3億㌔離れたリュウグウで誤差わずか1㍍以内の着陸を成功させた。「はやぶさ3」はまだ計画されていないが、こうした技術を生かした新たな「惑星間往復航行」のミッションを検討する必要性を訴えた。


ゲスト / Guest

  • 津田雄一 / Yuichi Tsuda

    「はやぶさ2」プロジェクトマネージャ

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