2021年02月04日 13:30 〜 14:30 オンライン開催
「3.11から10年」菅原茂・気仙沼市長

会見メモ

宮城県気仙沼市長の菅原茂氏がリモートで登壇し、東日本大震災からこの間の復興事業を振り返るとともに、まちとしての今後の課題などについて話した。

菅原氏は「(国が掲げた)『創造的復興』は容易ではない。既存の制度は原型復旧が中心。コンセプトと実際の制度の乖離を埋めることが、この間の大きな仕事だった」と振り返った。

震災10年に際しては、「風化はしていく。何に失敗し、苦しんできたのか、発信し続けることが大切になる」。

司会 福田裕昭 日本記者クラブ企画委員(テレビ東京)


会見リポート

支援で得た縁で地域力を再認識

中川 和之 (時事通信社解説委員)

 気仙沼市の菅原茂市長は、復興は「社会課題の解決を伴うべき」とし、「人口減少時代での地域の豊かさの作り方」を考えてきたと語る。支援を受ける中で、「市民の一人ひとりに、もともと赤い糸で結ばれていた」と思わせる縁ができた。「(支援が)来続けてくれた理由は、自然や食、風土、人間性の地域力。その価値を見直す機会になった」という。震災10年は、「残念だが風化する。忘れないで、だけでなく、何が失敗して成功したのか、発信していく」と語った。

 防潮堤は「景観との関係をとことん話し合い、まだ半分もできていないが、みんなが考える機会になった」。災害危険区域の設定でまちなかに点在していた水産事業者が集約された。今後は、経済同友会などの支援で展開した経営未来塾や、女性や若者も対象にしたまちづくりの人材育成の成果を生かし、「世界とつながる豊かなローカル」となっていくと決意を述べていた。


ゲスト / Guest

  • 菅原茂 / Sugawara Shigeru

    日本 / Japan

    宮城県気仙沼市長 / Mayor, Kesennuma City

研究テーマ:3.11から10年

研究会回数:4

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