2020年11月26日 16:45 〜 17:45 10階ホール
小泉進次郎環境大臣 会見

会見メモ

2050年の温室効果ガスの実質ゼロへ向けた取り組みなどについて話した。

司会 元村有希子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)


会見リポート

脱炭素はライフスタイルから

鈴木 理之 (毎日新聞社科学環境部)

 菅義偉首相が10月、2050年までに国内の二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると宣言した。政府内で早期の「ゼロ宣言」など対策強化を訴えてきた小泉氏は「脱炭素は世界最大の成長分野だ。日本が発展する道を切り開くスタートにしたい」と意気込む。

 昨年9月、環境大臣に就任。政府代表として地球温暖化対策の国際交渉に臨んだが、国際NGOなどから批判を浴びた。日本は今もCO2を大量に出す石炭火力発電所の新設を認めるなど対策に消極的と指摘されていたからだ。

 昨年12月にスペインで開かれた国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)では、石炭火力発電事業の輸出制限表明を検討したが政府内で調整がつかず断念。それでも「国際社会の潮流に逆行する」と政府内で指摘を続け、今年7月に政府決定した輸出要件厳格化につなげた。持ち前の意義を唱えるスタイルで、日本が「ゼロ宣言」へ向かう火付け役を担った。

 ただ、脱炭素社会を実現する上で重要な国内のエネルギー政策全般は経済産業省が担う。環境省には何ができるのか。小泉氏は自治体や企業とともにライフスタイルの側面から脱炭素化を実現させることが重要だと説明する。今後のキーワードとして「再生可能エネルギー」「電気自動車(EV)」「住宅の脱炭素化(断熱化)」を上げ、普及や拡大に全力を注ぐ考えだ。

 国内ではすでに170を超える自治体が「50年ゼロ」を表明し、人口規模では8000万人に達した。しかし、全国の自治体の約9割で電力などのエネルギー収支(域外に売って得た収入と購入した支出の合計)が金額ベースで赤字だと指摘。自治体への再エネ導入拡大で黒字化を目指すとし、「地域の資金流出を食い止め、地方経済の活性化につなげる」と新たな制度づくりに意欲を示した。


ゲスト / Guest

  • 小泉進次郎 / Shinjiro Koizumi

    環境大臣 / Minister for the Environment

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