2020年11月05日 14:00 〜 15:00 10階ホール
「新型コロナウイルス」(47) 尾﨑治夫・東京都医師会会長

会見メモ

東京都医師会の尾﨑治夫会長が会見し、今冬の新型コロナウイルス対策や長期的な視点から今後必要となる施策について話した。

会見では「やめろ一辺倒ではない対策も必要」と主張。新型コロナに感染した場合、発症の2日前から発症の5日後は一番感染力が強く、それ以降は感染させる可能性が低くなることから、飲み会の開催について「1回飲んだら10日間は飲み会に行かない」という独自案「every ten days」も披露した。

また災害や新たなパンデミックへの備えとして1000床規模の専門病院の必要性を訴えた。

司会 元村有希子 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)

 


会見リポート

「飲み会は10日に1度で」

内田 幸一 (毎日新聞社社会部)

 尾﨑氏は新型コロナウイルスと闘う医療界の立場から、法的拘束力のある補償を伴う休業要請を可能にするよう改正新型インフルエンザ対策特別措置法の早期改正を求めたり、東京五輪・パラリンピックの通常開催に疑問を示したりするなど、盛んな情報発信で注目を集めてきた。

 今冬や中長期的なコロナ対策について語った会見では、忘年会シーズンの会食による感染拡大が懸念される中、ウイルスの潜伏期間などを考慮し、飲み会をするなら少なくとも10日間は間を開ける「every ten days」という新様式を提案した。

 尾﨑氏はまず、かかりつけ医に相談することを基本とした、新型コロナとインフルエンザの同時流行に備えた医療提供体制を説明。その上で体調不良なのに無理に学校や仕事に行くことで感染が広がると指摘し、テレワークなどの活用を呼びかけた。

 また、感染の第1波、第2波では、接待を伴う飲食店など「夜の街」が感染拡大の発端になったことから「感染が広がる前に補償を伴う休業要請を行って集中的なPCR検査を実施し、感染実態を把握することがその後の流行を防ぐ」と強調した。

 さらに1000床規模のコロナ専門病院の整備も主張。平時は患者を入れず、医療従事者の訓練に使い、パンデミックや災害時に患者を一手に受け入れることで医療機関の負担軽減につながるとの見解を示し、「何年かかるかはわからないが、ぜひ作るべきだ」と意欲を見せた。

 そして3密の回避などやってはいけないことばかりが示される中で、「どうすれば安全か逆の話がない」として、独自に考えた飲み会のあり方を提案した。新型コロナが発症の2日前から発症後5日まで感染力が強い点を考慮し、「1回飲んだら10日間は行かない。こういったことを守れる、少人数の気の合う仲間で飲み会をすれば安全ではないか」と呼びかけた。


ゲスト / Guest

  • 尾﨑治夫 / Haruo Ozaki

    日本 / Japan

    東京都医師会会長 / Chairman,Tokyo Medical Association

研究テーマ:新型コロナウイルス

研究会回数:47

ページのTOPへ