2020年09月23日 16:00 〜 17:00 10階ホール
「大阪都構想」共同会見 吉村洋文・大阪府知事、松井一郎・大阪市長

会見メモ

吉村洋文・大阪府知事(写真右)と松井一郎・大阪市長が2回目の住民投票の実施が決まった「大阪都構想」について話した。

司会 坪井ゆづる 日本記者クラブ企画委員(朝日新聞)

■配布資料


会見リポート

日本の中心で「大阪都」を叫ぶ

神崎 博 (関西テレビ放送報道センター)

「都構想の住民投票、負けたらそこで政治家として終了」

 会見で松井大阪市長が政治家としての進退を明言。約1時間後の関西ローカルのトップ項目で放送した。

 政令市の大阪市を廃止して4つの特別区に分割する「大阪都構想」。記者会見は11月1日に予定されている住民投票の約40日前に開かれた。関西では注目のニュースで、吉村・松井両氏の顔を見ない日はないほどである。一方、私が出演している夕方ニュース「報道ランナー」で東京から来ているコメンテーターに話を聞いても興味を持ちにくい話題のようで、東京でどれほどの関心があるのかを気にしながらの参加となった。実際、松井市長が「天王寺には、新しい拠点として支持されている『てんしば(天王寺公園内の芝生の広場)』エリアなどがあります」など各特別区の特色を説明している時の会場の様子を見ていたが、数人の記者はメモを取る手が止まっているようにも見えた。会見後半の質疑応答でも、手を挙げるのは在阪各社の記者ばかり。司会者が、「在京記者の方」と質問者を限定するような場面もあった。

 

▼「橋下商店」から「吉村・松井商店」へ

 前回の投票は橋下徹氏が前面に出たため、ある意味「橋下支持か、不支持か」が問われる形となった。あれから5年…市営地下鉄の民営化や万博の誘致など維新の知事・市長によって目に見える成果を上げ、大阪では「改革」が進んだと一定の評価がある。特に、今年に入ってコロナ禍での吉村人気は絶大で、吉村知事が生出演すると視聴率が数ポイントアップする「吉村効果」が出るほどだ。「橋下商店」だった維新が、この5年で「松井・吉村商店」になり、コロナを経て「吉村・松井商店」に変貌しつつあるようで、この2人に対する「支持か、不支持か」が住民投票の結果を左右する要因になりそうだ。

 私は大阪から上京してきたという気負いから早々に質問に立ち、「インバウンド、IRなど海外からの渡航者頼みの成長戦略では、今回のコロナのような感染症が発生すると立ち行かなくなる。別の一手はあるのか?」と聞いた。すると、松井市長は大阪万博のテーマ「ライフサイエンス」を挙げ、創薬や再生医療などが「次の一手」だと切り返し、長々と万博のPRをされてしまった。松井氏の近著にもあった内容そのままで、予想された答えだっただけに自分の「質問力不足」を反省したほろ苦い会見となった…。

 


ゲスト / Guest

  • 吉村洋文

    大阪府知事

  • 松井一郎

    大阪市長

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