2020年10月06日 13:30 〜 14:30 10階ホール
「新型コロナウイルス」(46) 観光再生への道 小松﨑友子・iNTO代表取締役/観光ブランディングプロデューサー

会見メモ

観光マーケティングの専門家で、近隣アジア諸国からのインバウンド(訪日外国人客)誘致で実績を挙げている小松﨑友子・iNTO代表取締役/観光ブランディングプロデューサーが登壇し、全国の観光事業者の現状、インバウンド需要の回復に向け必要となる方策、ウィズコロナ時代のインバウンドについて話した。

会見では、同社が運営する訪日リピーターコミュニティ「JAPANCOLLECT(ジャパンコレクト)」で実施したアンケート調査「次回の訪日時期の意向について」の結果も発表した。

司会 小林伸年 日本記者クラブ企画委員(時事通信)

 


会見リポート

ウィズコロナのインバウンド観光戦略

堀 義男 (時事通信社解説委員)

 新型コロナウイルスの感染拡大収束後のインバウンド(訪日外国人旅行客)再開に備え、コンテンツの磨き上げと受け入れ環境整備が重要だ―。地域の魅力極大化を図る観光ブランディングやマーケティングを手掛けるイントゥ(東京)の小松﨑友子代表取締役はこう指摘する。

 観光関連事業者に対し求めるのは新規コンテンツの開発に加え、既存コンテンツの価値・ブランドを顧客目線に基づいて正確に理解し、一段と高める取り組みだ。

 同社が運営する、香港や台湾など中華圏の20代後半から30代を中心とした訪日ヘビーリピーターのネット上の集まりで参加者に調査を行った結果、有効回答約5800の5割近くが「入国規制が緩和されたらすぐに日本へ行きたい」と答えたという。

 「インバウンドの本格再開は数年先」との声もある中、小松﨑氏は調査結果を基に、「ヘビーリピーターが思ったより早く戻ってくる」「感染症の脅威が消滅すればすべてが一気に動き出す」と強気の見通しだ。

 再開後のインバウンドに関しては、感染症対策からも団体旅行ではなく個人旅行が主流になり、地域で観光商品を開発、提供する着地型ツアーへのニーズが高まるとの見方を示す。 

 ただ、地方の多くは空港や駅から観光スポットや、観光スポット間の移動手段に乏しい。移動手段の確保や観光案内などの多言語化を含め、「インバウンドに『準備中』の札が出ている間」に、地域として受け入れ環境を整えるよう呼び掛けた。

 また、観光地の魅力を高める取り組みそのものはインバウンド、日本人を問わず誘客につながる効果があると指摘。同時に、インバウンドによって日本の魅力が再発見されている面も大きいとの見方を示す。

 小松﨑氏は「国内・インバウンド両輪の相乗効果で揺るぎない持続可能な観光マーケティング」の実現を目指すと意気込みを示した。


ゲスト / Guest

  • 小松﨑友子 / Tomoko Komatsuzaki

    iNTO代表取締役、観光ブランディングプロデューサー

研究テーマ:新型コロナウイルス

研究会回数:46

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