2020年09月24日 13:30 〜 14:30 10階ホール
「新型コロナウイルス」(44) コロナが変える農業 石田一喜・農林中金総合研究所主事研究員

会見メモ

外国人技能実習生の来日が途絶えたことで深刻な人手不足に陥るなど、コロナ禍は日本の農業の構造的な問題をあらためて浮き彫りにした。農林中金総合研究所の石田一喜主事研究員が登壇し、各地で進められる人材確保・生産効率化に向けた取り組み、ネット産直通販サービスなど流通面での新たな動きも踏まえた今後の農業のあり方について話した。

司会 竹田忠 日本記者クラブ企画委員(NHK)


会見リポート

農業者自身の変革必要

緒方 大造 (日本農業新聞論説委員)

 新型コロナウイルス禍は人手不足など日本農業の構造問題をあらわにした。農業の課題と生き残り策を提示するタイムリーな会見だった。

 専門は農業経済学。気鋭の研究者らしく、農業の現在地をデータと実例で解説。コロナ禍が生産・流通・消費にもたらした変化をつかみ、「解」へと導く。多様な支え手の育成、変わる消費動向への対応、農業者自身の変革の必要性を説いた。

 石田さんは「国産への関心の高まり」を生産者が戦略的に取り込むことを提起した。人手不足対策では、外国人材依存の危うさと共生の課題に言及。国内では「就労支援・他産業との連携」「スマート農業の実装」を促した。

 ヒト、モノの流れが止まる不測の事態に備え、持続可能な生産・流通の仕組みをどう構築するか。食料安全保障の在り方も含め、さらなる論考に期待したい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ゲスト / Guest

  • 石田一喜 / Kazuki Ishida

    日本 / Japan

    農林中金総合研究所主事研究員 / Chief Researcher, Norinchukin Research Institute Co.,Ltd.

研究テーマ:新型コロナウイルス

研究会回数:44

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