2020年10月14日 11:00 〜 12:00 10階ホール
稲田朋美衆議院議員  会見

会見メモ

自民党の女性議員による議連「女性議員飛躍の会」で共同代表を務める稲田朋美衆議院議員が会見し、女性議員を取り巻く日本の現状や「女性議員飛躍の会」の活動について話した。

司会 川戸惠子 日本記者クラブ企画委員(TBS)

 


会見リポート

自民女性議員3割目指す

山田 惠資 (時事通信社解説委員)

 自民党の保守派論客の一人だ。安倍晋三政権時代は行政改革担当相、自民党政調会長、防衛相など要職を歴任。菅政権誕生で無役に転じながら、その言動が注目されているのは、保守派に似つかわしくないテーマに積極的に取り組んでいるためだ。

 昨年3月、党内に選択的夫婦別姓の導入や女性の政界進出の推進を目指して、他の女性議員らと共同で「女性議員飛躍の会」を結成。ジェンダー・ギャップ(男女格差)解消に向けた旗振り役を務める。LGBT(性的少数者)の権利拡大にも意欲的だ。

 だが、そうした「変節」ぶりはかなりの反発を受けている。記者会見では「保守派からは、激しいバッシング(攻撃)を受け、右と左が交じり、アイデンティティーが崩壊したかのように言われる」と戸惑いを隠さなかった。

 一方で「本当の保守は多様な意見を謙虚に聞くことだ」と指摘。シングルマザーへの税制優遇に、保守派が「伝統的家族を崩壊させる」と批判していることには「未婚の母で子供を産むのは大変なことなのに、なぜ税で支援できないのか。伝統的家族は大切だが、これは憲法14条の『平等』(に合致する)かという問題で、伝統的家族とは全く別の問題だ」と強調した。

 選択的夫婦別姓について、かつては反対の立場だったが、現在では一転して選択別姓を支持している。目標としているのは、離婚後や死別後に旧姓に戻すことを定めた現行民法の「復氏」制度の仕組みを結婚時にも適用し、婚前の氏の維持を可能にする制度の実現だ。

 政治分野に関しては、日本では女性の議会進出率が10%と先進国で最低水準となっている現状を嘆き、2030年までに同党の国会議員や地方議員に占める女性の割合を3割にすることを目指す。そのために、国政と地方の選挙で候補者の一定割合を女性にする「クオータ制」の導入を執行部に求めている。会見では「強制力のある制度を導入しなければ30年たっても10%の状況は変わらない」と強い危機感をにじませた。


ゲスト / Guest

  • 稲田朋美 / Tomomi Inada

    日本 / Japan

    衆議院議員(自由民主党) / Member of the House of Representatives, the Liberal Democratic Party

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