2020年06月05日 14:00 〜 15:00
「新型コロナウイルス」(27) 就学前の子育て家庭への影響 王寺直子・全国認定こども園協会副代表理事

会見メモ

写真は左から、王寺直子さん、奥山千鶴子さん、池本美香さん、大日向雅美さん。

 

NPO法人全国認定こども園協会(1675園加盟)は5月から就学前の子どもをもつ家庭を対象に、新型コロナウイルス感染拡大が家庭や子育てに与えた影響についての緊急アンケート調査を実施している。5月25日までに全国から寄せられた約5700件の回答結果を公表し、子育て支援のあり方などについて話した。

■登壇者:

・王寺直子・全国認定こども園協会副代表理事

・池本美香・日本総合研究所調査部主任研究員

・大日向雅美・恵泉女学園大学学長

・奥山千鶴子・NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長

司会 瀬口晴義 日本記者クラブ企画委員(東京新聞)

 

■資料①【概要】新型コロナウイルスに係る就学前の子育て家庭への緊急アンケート調査

■資料②【報告書<6月5日公表版>】新型コロナウイルスに係る就学前の子育て家庭への緊急アンケート調査

■資料③【付録1.2】

特定非営利活動法人全国認定こども園協会

【就学前の子育て家庭向け】新型コロナウイルスに係る緊急アンケート


会見リポート

保護者から切実なSOS

中井 なつみ (朝日新聞社文化くらし報道部)

 新型コロナウイルスの感染が拡大し、保育施設の休園や登園自粛の動きが広まったなか、未就学児を育てる保護者たちの心身の不安や不調がピークに達する一方、ケアがおろそかになっている実態が明らかになった。

 全国認定こども園協会がオンライン上で行ったアンケートには、未就学児を抱える保護者から5700件もの回答が集まった。「外出自粛中に困ったことがある」と回答する保護者は7割を超え、コロナ禍での子育ての厳しさが浮き彫りになった。さらに自由記述欄では、保護者の本音がストレートに表現されている。「とにかく疲れる」「一家心中という言葉がよぎる」…。在宅勤務中に保育施設が利用できず、「育児も仕事も」と求められることに疲弊する保護者、コロナ禍で収入が減少し、先行きの見えない状況に追い詰められる保護者、悩みがあっても相談できる場所がないことに苦しむ保護者。外出自粛要請で周囲との関わりが断ち切られた状況だったことも影響してか、アンケートには切実なSOSの声がぶつけられていた。

 同協会副代表理事の王寺直子さん(右)は「かなりの数の保護者が、閉塞感や絶望感を持っている。心の叫びが見えた」とする。今後の第2波、3波の到来も懸念されるなか、子育て中の保護者のケアができる仕組みを整えることも急務だ。王寺さんは「就労などの要件で保育施設に一律の利用制限を掛けるのではなく、親のレスパイト(休息)の重要性も考えていかなくてはならない」とした。

 感染への不安を抱えながら、家庭内で育児や仕事の悩みを一手に引き受けざるを得ない実態について、恵泉女学園大学の大日向雅美学長(左)は「子育ては家庭の中だけで完結し、子どもは親が見るものという価値観に戻り始めている」と危機感をあらわにした。「声を上げられない親子を守るためには、社会の本気の覚悟が求められている」と強調した。


ゲスト / Guest

  • 王寺直子 / Naoko Ouji

    日本

    全国認定こども園協会副代表理事/認定こども園あかさかルンビニー園園長

  • 池本美香 / Mika Ikemoto

    日本

    日本総合研究所調査部主任研究員

  • 大日向雅美 / Masami Ohinata

    日本

    恵泉女学園大学学長 / President, Keisen University

  • 奥山千鶴子 / Chizuko Okuyama

    日本

    NPO法人子育てひろば全国連絡協議会理事長

研究テーマ:新型コロナウイルス

研究会回数:27

ページのTOPへ