2019年11月13日 14:15 〜 15:15 10階ホール
大野元裕・埼玉県知事 会見

会見メモ

8月に就任した大野元裕・埼玉県知事が登壇し、就任からの2カ月あまりを振り返るとともに、県政を巡る課題について語った。

 

司会 山田惠資 日本記者クラブ企画委員(時事通信)

 

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会見リポート

就任直後に豚コレラと台風/「危機管理に強い県庁」に意欲

豊田 洋一 (東京新聞論説副主幹)

 県民の生命や暮らしを守る知事として、いきなり正念場を迎えた思いだったのだろう。会見冒頭の言葉は「嵐を呼んでしまった」だった。

 知事選投開票日が8月25日で、就任は31日。その日の初仕事が県主催の総合防災訓練への出席だった。

 その2週間後、県内の養豚場で、関東で初めての豚コレラが発生。10月中旬には台風19号で3人が死亡、河川氾濫などで6千棟を超す家屋に被害が出た。

 自身の出身地である埼玉県はこれまで「災害がないとてもいい県」だったが、地球温暖化などの影響で、災害が「また繰り返されてもおかしくはない」との危機感を持つ。

 それならば、なおさら期待が双肩に重くのしかかるのではないか。

 大学の修士課程修了後、外務省に入省。紛争が絶えない中東地域で専門調査官などを務めた後、2010年、参院議員に初当選。野田佳彦民主党内閣では防衛政務官に起用された。自他ともに認める「危機管理」の専門家である。

 会見では「県庁の組織を危機管理庁的な構成に変えていきたい」との意欲も語った。頭にあるのは、米連邦緊急事態管理庁(FEMA)のような組織だという。

 一方、少子高齢化対策としては、効率的なエネルギー管理とコンパクトシティーを組み合わせた「埼玉版スーパー・シティー構想」を掲げる。

 地球温暖化と本格的な少子高齢化の時代を迎え、誰もが解決策を探しあぐねる中、「海がないことを除けば日本の縮図」である埼玉県で対応策が見つけられれば、日本全体に希望を与えることができるだろう。

 「困っている皆のために、議会に行かなければならない」。中学生当時、川口市長を務めた祖父の病床で聞いた言葉が政治家としての原点だという。その熱意と使命感を引き継ぎ、新しい自治体の形を実現できるのか。

 新知事の手腕を注視したい。


ゲスト / Guest

  • 大野元裕 / Motohiro Ono

    日本 / Japan

    埼玉県知事 / governor, Saitama Prefecture

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