2019年09月03日 14:00 〜 15:15 9階会見場
ジハーン・ペレーラ・スリランカNGO「ナショナル・ピース・カウンシル」常務理事 会見

会見メモ

スリランカの平和活動家であるジハーン・ペレーラ氏が登壇。今年4月に同時爆破テロ事件が発生するなど深刻化する分断の現状や、地政学的な問題が国内の対立に与える影響などについて話した。

ペレーラ氏は民族対立の政治的解決に取り組むNGO「ナショナル・ピース・カウンシル」などの役員を務め、スリランカ政府から国家統合のための諮問委員に任命されている。

ナショナル・ピース・カウンシル

 

司会 杉田弘毅 日本記者クラブ企画委員(共同通信)

通訳 西村好美(サイマル・インターナショナル)

 


会見リポート

中米2大国の間で揺れる海の要衝スリランカ

原田 健男 (山陽放送出身)

 「聖なる光り輝く島」という意味の国名を持つインド洋に浮かぶ美しい小国スリランカ。しかし今、東西海上交通の要衝にあるがゆえに中国とアメリカの2大国の間で揺れている。

 スリランカ政府の国家統合諮問委員をつとめるナショナル・ピース・カウンシル常務理事のジハーン・ペレーラ氏によると、中国は2017年11億2000万ドル(約1200億円)を高利で貸し、南部のハンバントタ港を99年間租借する契約を交わしたという。その後中国の潜水艦の寄港が確認されている。ペレーラ氏によると首都に近い西海岸のコロンボ港の一部も同様に99年間中国に租借されるそうだ。

 これに対しアメリカも運輸・交通インフラと土地の有効利用支援など4億5000万ドル(約480億円)の無償援助をし、日本とインドも手を組み2つの港の開発などの援助も進めている。

 このようにスリランカは中国が進める一帯一路・真珠の首飾り戦略とアメリカ・インド・日本が進めるインド太平洋戦略という2大勢力の間で揺れ動き、今年11月に予定されている大統領選挙は二者択一の戦いだという。

 一方、外交とは別に国内で不穏な空気も出てきている。スリランカは2004年スマトラ沖地震で3万人以上の犠牲者を出し、その5年後には戦も終えて観光立国として再出発した。しかし今年4月コロンボなど国内8カ所のキリスト教会や高級ホテルなどがイスラム過激派の自爆テロに襲われ、キリスト教徒や外国人観光客など258人が死亡した。スリランカでは多数を占める仏教徒と少数派のヒンズー教徒の戦いはあったものの、キリスト教徒がターゲットにされた例は多くないという。今回のテロが外国人や富裕層を狙ったのは明らかにせよ、テロの性質がこれまで例のないものだっただけに、観光立国を目指すスリランカにとって不安な事件となっている。


ゲスト / Guest

  • ジハーン・ペレーラ / Jehan Perera

    スリランカ / Sri Lanka

    ナショナル・ピース・カウンシル常務理事 / Executive Director, The National Peace Council

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