2019年01月23日 14:00 〜 15:30 10階ホール
「2019年経済見通し」③消費動向:久我尚子・ニッセイ基礎研究所生活研究部主任研究員

会見メモ

家族構成の変化や消費社会の成熟がもたらした若者の価値観の変化による、平成時代の消費の変容を解説した。女性の社会進出が進み所得が増えれば、社会全体の消費も伸びると指摘した。

 

司会 藤井一明 日本記者クラブ企画委員(日本経済新聞)


会見リポート

変化する消費形態 女性と若者がカギ

上杉 素直 (日本経済新聞社コメンテーター)

 10月の消費税率10%への引き上げ、ゴールデンウイークの10連休、改元やオリンピックに向けた世間の盛り上がり。大きなイベントが相次ぐ2019年は、消費の動向が日本経済の先行きを占うことになる。豊富な数値と独自に集めた情報に裏付けられた久我尚子さんの分析は、気付かされることがいくつもあった。

 夫婦と子ども2人という標準と称された世帯は今や少数派であり、人口減少にもかかわらず単身世帯が多くなり世帯数を押し上げる。専業主婦でなく共働きが当たり前になり、とりわけディンクス(子どものいない共働き夫婦)や一人っ子世帯の増加が著しい。そんな社会変化を映した消費が伸びており、ビジネスのヒントもあふれている。

 久我さんが挙げた一例が、習い事送迎タクシーや習い事シッターの人気ぶり。夫婦ともフルタイムで働きながら子どもに習い事をさせたいという親心に目を付けたビジネスで、送迎タクシーは1時間5000円を超えても予約が殺到しているらしい。

 これからの消費を考える上で、久我さんがまずポイントに挙げたのが「女性」だった。結婚や出産を経てもおしゃれを楽しむ女性は男性より消費意欲が旺盛で、女性の働く意欲をかなえる仕組みを整えればもっと消費は広がるという。社会で働く女性はここ数年で着実に増えてきたが、まだまだ課題はある。企業は出産後にも活躍の場を提供し、政府は企業の取り組みを後押しする。男性も育児に参加することで、パートナーが思い切り働きやすい環境をつくる努力も欠かせない。

 久我さんが訴えたもう一つのポイントが「若者」。バブル崩壊後の〝失われた時代〟しか知らない今の若者は、お金があっても使わない暮らしぶりがくっきり。「彼らは『良くなる』というイメージを抱きにくい。雇用の安定で経済基盤を整えてあげるのが大事だ」と期待を込めていた。


ゲスト / Guest

  • 久我尚子 / Naoko Kuga

    日本 / Japan

    ニッセイ基礎研究所生活研究部主任研究員 / Senior researcher, Social Improvement and Life Design Research, NLI Research Institute

研究テーマ:2019年経済見通し

研究会回数:3

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